中国・サハリン帰国者教育の相互支援ネットワーク

2014年9月25日号

編集・制作:中国帰国者定着促進センター
          教務部講師会
発行者:中国帰国者定着促進センター

今号を印刷してお読みになりたい方は、こちらのPDFをご利用ください。2014年9月25日号PDF

◎目次――――――――――――――――――――――――――――――――
地域情報ア・ラ・カルト
 ・「支援・相談員」の現場から(その11)−東北地方〈山形県〉− +中国語訳 

教材・教育資料
 ・『幼稚園・保育園ガイドブック』愛知教育大学
 ・多文化子育て支援ガイドブック『日本語でつたえるコツ』web版 大阪ボランティア協会

とん・とんインフォメーション
 ・中国残留邦人等への理解を深めるシンポジウム
 ・かながわ国際交流財団の多言語ガイドブック等の紹介
 ・「移動する子どもたち」のための中学校公民科テキスト、入手可!
 ・2014年度 高校進学進路ガイダンス〈各地の情報〉  2014.09.17現在
 ・中国帰国者定着促進センター JSLコミュニケーション力水準評価
 ・奨学金情報/進学進路情報
 ・ニュース記事から(2014.8.1-9.18)
 ・『望郷の鐘』−中国残留孤児の父・山本慈昭− 東京で有料試写会
 ・児童文学で戦争を伝える 増田昭一作品紹介
 ・中国・サハリン残留邦人関係書籍特集 その3

遠隔学習インフォメーション
 ・無料で学べる「遠隔学習課程(通信教育)」を帰国者の皆さんにお薦めください!

地域情報ア・ラ・カルト

「支援・相談員」の現場から(その11)−東北地方〈山形県〉−

小林百合子さん(帰国者二世)
所属:山形県(2008年度〜)4市5町11世帯19名を担当
1.経緯・日頃の活動

 山形県庁で事務補助のアルバイトをしたのが縁で、1992年から山形県健康福祉部の嘱託職員として勤務しています。2008年からは新しい支援制度に伴い、支援・相談員になりました。
 私自身中国で生まれ育ち、帰国者の二世として来日しました。来日当初は日本語を始め、生活習慣の違いからたいへんな思いをしましたので、帰国者の気持ちがよくわかります。帰国者の方々が日本で安心して暮らせるように日々活動しています。
県内の5地域[山形市、天童市、東根市、庄内地方(2市3町)、それ以外の地域]にそれぞれ1名ずつ担当がおり、私は「それ以外の地域」を担当しています。主な業務は帰国者の生活支援、医療通訳、行政機関での通訳ですが、今は医療通訳が大きな割合を占めています。

2.帰国者の最近の様子

 新しい支援制度が始まって一世の方々は以前と比べて生活が少し楽になりましたが、高齢で病院に行くことが多くなりました。週2〜4回は医療通訳に出かけ、担当している帰国者の方々とほぼ毎週お会いしています。またケアマネージャーや民生委員と共に訪問し、通訳をすることもあります。みなさん日本語がわからないため、入院や老人ホームに入ることに不安を感じています。介護サービスを利用している本人や家族からは「デイサービスでお風呂に入れてもらうだけでも助かる」という声もありますが、訪問介護(ホームヘルプサービス)に対しては「家に来て何か聞かれても答えられないかもしれない」、「料理を作ってもらっても日本料理が口に合わないかもしれない」と心配して利用している人はいません。中には介護保険を利用したほうがいいと思われる方も数名いますが、やはり言葉の問題で手続きや月1回のケアマネージャーの訪問等を負担に感じ、介護保険の申請そのものをしないケースもあります。

3.自治体主催の交流活動等

 山形県では帰国者が家に引きこもらないように、県内4か所で高齢者日本語教室、県内3か所で「いきいき広場」をそれぞれ月1回開催しています。(山形市主催の交流会も月1回あります)「いきいき広場」では中国語でお互いの近況や困ったことを語り合ったり、トランプ遊び、中国の将棋、太極拳をしたり、中国のヤンガを踊ったり、日本の歌を歌ったりしています。また年に5回くらい地域住民に呼びかけて、料理交流会も行っています。
 また年1回、県内の帰国者を集め、温泉に一泊する「山形県中国帰国者合同研修会」も開いています。前回は約60名の参加がありました。この研修会で1年ぶりに会う帰国者もおり、みな温泉に泊まりとなると、ウキウキワクワクして、寝る時間を惜しんで一晩中おしゃべりするグループもありました。
 この他に、教育関係の団体や小・中・高校で帰国者の体験談を聞く会が開かれることもあります。日本語ができる一世の方にお願いしていますが、私自身の中国での体験を話すこともあります。「残留孤児って何?帰国者って何?」という方たちも、話を聞いた後は「こんなに苦労したとは全然知らなかった」と涙を流す方もいらっしゃいます。体験談を話す帰国者一世にとっては、どうして残留孤児になったのか、小さい時どんな苦労をしたのかなどは今まではあまり思い出したくないことでしたが、日本での生活が安定してきたので、やっと自らの体験を語れるようになったようです。

4.最後に

 私が健康福祉部での勤務を始めた頃は、ちょうど山形へ帰国する方々が増えてきた時期でした。県の通訳として空港や駅に迎えに行きましたので、日本で最初に知り合いになったのは「私」という方も少なくありません。帰国者の方々は私にとって父や母のような存在です。苦労してきた分「健康に気をつけて、絶対に長生きしてね」といつも言っています。「県庁に小林がいるから大丈夫」という言葉を励みにこれからも頑張っていきたいです。

[番外編・帰国者二世の思い]

 小林さんは1984年に来日し、当センターを修了後に山形へ定着しました。あっという間の30年だったという小林さん。ここでは帰国者二世の率直な思いをご紹介します。

 中国にいた時には日本語の勉強をしていませんでしたので、成田空港で全くわからない言葉を聞いて愕然としました。前にも進めないし、中国にも戻れない、どうすることもできないというパニック状態に陥りました。外国の言葉を話せるようになるのは簡単なことではありません。日本語の勉強に必死で日本に来て3年くらいの記憶はほとんどありません…
 中国に戻りたい、日本に来ないほうが良かったかもしれないと思ったこともありましたが、今は結婚し母親となり、子供の成長と共に自分が持っていないもの、自分が気づかなかったことを知ることができました。何度も挫折し、何度も立ち直り、やっとここまで来れたなぁと思う今日この頃です。
 現場通訳として、シンポジウム、知事との懇談会、山形県と黒龍江省の友好県省締結式典、結婚式披露宴、二世の出産時の立ち会いなど、数え切れない場面で通訳を行ってきました。たくさんの失敗もしましたが、貴重な経験をさせてもらっています。


 

来自「支援・咨询员」的现场活动报告(系列之十一)−东北地区〈山形县〉−

小林百合子女士(归国者的第二代)
所属:山形县(从2008年度开始)共负责4个市5个町11户家庭19名人员的支援咨询工作

1.经过及日常活动

  由于曾经在山形县厅做过临时性事务辅助工作的缘故,从1992年开始作为嘱托职员在山形县健康福祉部奉职。随着新的支援制度的实施从2008年转为支援・咨询员。
  我本人是在中国出生,在中国长大的。身为归国者第二代来到了日本。来日当初日语及生活习惯方面的差异所遭遇的困难一言难尽,所以更能体会归国者们的心情。现在我每天的活动就是致力于让归国者们在日本能够安心地生活。
县内的5个地区[山形市、天童市、东根市、庄内地区(2市3町)、此外的其它区域]各自配备了一名支援人员,我负责的是此外的其它区域。主要工作是归国者的生活支援、医疗翻译、行政机关的翻译,现在医疗翻译所占比例比较大。

2.归国者最近的情况

  自从新的支援制度实施以来,第一代归国者的生活比以前舒适了,可是由于高龄去医院的次数却多了起来。我一周有2〜4回是做医疗翻译,与负责地区的归国者每周都能见面。有时还作为翻译陪同介护支援专门员、民生委员一同家访。由于大家不懂日语,所以在住院时或对入住老人ホーム(护理之家)感到不安。虽然利用介护服务的本人或家人反映:“利用デイサービス(日间介护服务)能护理洗澡也是帮了大忙了”。可是对于访问介护(ホームヘルプサービス 居家助理服务)这项服务却认为:“人家问话也许我们什么也听不懂;人家辛辛苦苦做了饭菜,我们却吃不惯日本料理”等由于顾虑,没有人利用此项服务。而这些人当中被认为利用介护保险更为妥当者有数名,但是因为语言问题,在办理手续或对每月一次的介护支援专门员前来家访感到有负担,甚至有人连介护保险也没有申请。

3.自治体主办的交流活动等

  山形县为了预防归国者闭门不出,在县内4个地方开设了高龄者日语学习班;3个地方开设了「いきいき広場(生机勃勃广场)」每月各自举办一次活动。(每月还有一次山形市主办的交流会)每逢「いきいき広場」的活动日,大家用中国语互相聊聊近况及为难之事、打克下象棋、打太极拳、扭秧歌、唱日本歌曲等内容丰富多彩。另外一年还有五回邀请当地居民前来参加的料理交流会。
  此外一年举办一次由县内的归国者参加的「山形县中国归国者合同研修会」,并在温泉住宿一夜。上次大约有60名参加。有的归国者时隔一年才在研修会上得以重逢,大家住宿温泉兴高采烈,有的小组甚至一夜不眠通宵达旦地聊到天明。
  其它方面还有与教育有关的团体、小学、初中、高中学校举办聆听归国者的体验会,邀请能讲日语的第一代归国者前往,有时我也应邀发表自己在中国的经验体会。一些不知道残留孤儿的存在或不知道归国者存在的人在会后说“没想到他们竟受尽如此磨难,而我们却全然不知晓”并为此而热泪盈眶。对于发表体验的第一代归国者来说,自己是如何沦为遗孤的?小时候遭受过什么样的凄苦?是他们至今为止最不想触动和回忆陈年往事。如今在日本的生活逐渐安定下来,才将自己过去的经历公诸于世。

4.结束语

  我在健康福祉部刚刚开始工作的时候,正ー上到山形归国定居的人不断搗ス的时期。作为县里的翻译经常到机场、车站去迎接他们,所以有很多人在日本最初认识的人是我。对于我来说归国者们就像是我的父母。正因为他们经历了种种磨难,所以我经常提醒他们:“要保重身体!要健康长寿!”而他们的“县厅有小林这孩子在就不要紧”那句话是对我莫大的鼓励,我将一如既往地努力工作下去。

[编外篇・一个归国者二代的情怀]

  小林女士是1984年来的日本,在所泽定着促进中心研修结业后到山形定居。“三十年!弹指一挥间”是小林女士发自内心的感慨。在此为大家介绍一下一个归国者二代坦诚的情怀。

  在中国的时候没有学日语,所以在成田机场听到的是完全陌生的语言,一下子就茫然不知所措了。当时处在一个进不得进,中国也回不成,不知如何是好的慌乱状态。能说一门外国语并不是一件容易的事情,由于拼命学习日语,来日本最初三年的记忆几乎是一片空白……
  曾有过重返中国的想法,也出现过也许不来日本就好了这样的念头,如今身为人妻、身为人母,随着孩子的成长才真正了解到了什么是自己所欠缺的东西,什么是自己没有意识到的地方。几经挫折,摔倒了再爬起来,才终于走到了今天!此时感慨万千!
  作为现场翻译,研讨会、与知事的恳谈会、山形县与K龙江省的友好县省的缔结仪式、婚礼婚宴、陪伴二代分娩等各种场合下的翻译不胜枚举。其间虽然有过很多失败,但却积累了宝贵的经验!

教材・教育資料

『幼稚園・保育園ガイドブック』 愛知教育大学

 外国にルーツを持つ子どもたちの保護者に日本の幼稚園・保育園を知ってもらい、園の活動や行事に積極的に参加してもらうことを目的として作られたそうです。幼稚園・保育園に関する基礎知識(毎日の生活・行事・健康情報等)がまとめられており、イラストや写真も豊富で、母語でこういった知識を事前に得られることは、保護者にとっても、安心できることだと思います。また、このガイドブックは、ただ保護者に渡すのではなく、これを材料にして、園側と保護者がコミュニケーションをとることを目指して作られており、個別の情報を記入する欄もあります。
 現在、中国語・ポルトガル語・スペイン語・タガログ語・英語の5言語版がダウンロード可能です。必要な時に必要なページだけダウンロードして渡すことが可能なので、その点も便利だと思います。


 

多文化子育て支援ガイドブック 『日本語でつたえるコツ』Web版

外国人保護者と子育て支援に関わる人とのより良いコミュニケーションのために
編著・発行:社会福祉法人 大阪ボランティア協会 
助成:公益財団法人 三菱財団 2013年9月発行

 このガイドブックには外国人保護者や子どもたちと、より良いコミュニケーションが生まれるヒントがつまっています。幼稚園、保育園(所)、保健福祉センターの母子保健窓口、子育てサロンなど、支援の現場で外国人の保護者と接する機会が多い方々に向けて作成されました。
 大阪ボランティア協会では2011年から外国人親子の居場所と情報提供の場として「多文化子育てサロン」を運営して、外国人の親子がぶつかる様々な困難と向き合ってしました。また、保健士さんや保育士さんたちからも相談を受けることが多かったそうです。通訳や翻訳を依頼する方法はありますが、それは一時的な対応で、必要なのは日常的に子育て支援の場で使える方法ではないかと感じ、支援の場で使える方法を模索しているときに「やさしい日本語」※ という考え方に出会いました。そして、「意見交換ワークショップ」を何度も行って、体験やエピソードを盛り込んだそうです。
 第1章では外国人保護者を支援するために知っておくべきことが簡潔にまとめられています。第2章では保育園などで起こった事例を紹介。会話とイラストで状況を説明し、解決法をみんなで考える形になっています。現場の生の声が紹介されていて、とてもリアルです。第3章では日本語に慣れていない人に伝える「コツ」をルール化。「お知らせ」を使った実例が参考になります。第4章では外国人にとって難しい表現をわかりやすい表現に直す練習問題が載っています。第5章では、外国人をサポートする時に必要な情報が得られる参考資料があります。

  ※ 阪神・淡路大震災の経験をふまえ弘前大学の佐藤和之先生が提唱された「やさしい日本語」:災害時に日本語に不慣れな外国人にも情報が伝わるように簡単な語彙と単純な文型を使おうという考え方

WEB版『日本語でつたえるコツ』は協会のホームページからダウンロードできます。
☆『日本語でつたえるコツ』ワークショップを開いてみませんか
問い合わせ:大阪ボランティア協会(永井)06-6809-4901 
       メール:office@osakavol.org

とん・とんインフォメーション

中国残留邦人等への理解を深めるシンポジウム 主催:厚生労働省

平成26年10月18日(土)13:00〜17:00
横浜市教育会館(横浜市西区紅葉ヶ丘53番地)

参加申込方法はシンポジウムホームページをご覧ください。


舞台公演
「吉林食堂〜おはぎの美味しい中華料理店〜」福岡で小さな中華料理屋を営む中国残留孤児とその二世の話。
○シンポジウム
 コーディネーター 大谷昭宏氏(ジャーナリスト)
 パネリスト 大久保真紀氏(朝日新聞編集委員)
○中国帰国者の皆さんによる合唱

申込締切:10月3日(金)必着 ※入場無料、要申込、定員500名(応募者多数の場合は抽選となります)
      中国語への同時通訳あり レシーバー予約はイベント申し込み時に
お問合せ先:日本語:TEL:045-232-4921(横浜アーチスト内)
      中国語:TEL:03-5807-3171(首都圏中国帰国者支援・交流センター)


 

公益財団法人 かながわ国際交流財団の多言語ガイドブック等の紹介

 自治体の生活情報媒体の多言語化は、ここ10年ほどの間にずいぶん進んできました。かながわ国際交流財団は、何年も前から多言語情報の流通を積極的に進めていて、様々な分野の多言語ガイドブックやリーフレットを発行しています。
 以前にも本NLでいくつか紹介しましたが、今回は、新しく発行されてダウンロードが可能になったものをまとめて紹介します。是非、実際にかながわ国際交流財団のHPをご覧ください。トップページ右のリスト内の「出版物情報」をクリックすると実物をダウンロード(DL)できるページにとびます。http://www.kifjp.org/

@〜Cは外国人住民向けのもの、DEは支援者向けのもの

@『外国人保護者のための予防接種のしおり』

2014年3月発行、DL可、10か国語:中国/韓国朝鮮/タガログ/ポルトガル/スペイン/ベトナム/英/タイ/カンボジア/ラオス語
予防接種に関するQ&A、スケジュール、感染症の内容、多言語で相談できる連絡先等が掲載されています。

A『かながわ多言語生活ガイド』

2013年2月発行2014年3月改訂、DL可、11か国語:日本/中国/韓国朝鮮/タガログ/ポルトガル/スペイン/ベトナム/英語/タイ/カンボジア/ラオス

B『介護の仕事』ハンドブック

4か国語:中国/スペイン/ポルトガル/英語、日本語併記 高齢者介護の仕事について紹介するハンドブックです。

C『外国につながる親子のための入園のしおり 〜保育園での生活や持ちものについて〜』

2014年5月公開、DL可、8か国語:中国/タガログ/ポルトガル/スペイン/ベトナム/英語/カンボジア/ラオス+やさしい日本語版
保育園での生活を説明するための資料で、自分の通う保育園に合わせて、情報が入力できるようになっています。やさしい日本語版と外国語版を見比べて使えます。

D『あるあるマンガでよむ 外国につながる生徒の高校進学サポートガイド 困ったときの10のヒント』 2014年3月発行 DL可

最初の漫画のエピソードが、よく考えられていて、子どもたちの高校進学にまつわる課題や事例を考える糸口として、とてもよいと思いました。初めて支援に関わるボランティアや学校の先生に読んでほしい内容です。

E『外国人住民サポートアイディア集』

2014年3月発行 DL可、郵送可
外国人住民に対応する際のヒントやアイディアが載った小ぶりの冊子で、1.多言語情報編、2.防災・減災編、3.健康・保健編、4.出産・子育て編、5.コミュニティ編、と全部で五種類発行されています。行政の担当者、支援に関わる人々だけでなく一般の人々にも是非読んでいただきたい内容です。


 

「移動する子どもたち」のための中学校公民科テキスト、入手可!

 「移動する」全ての子どもたちに有益な、「アメラジアン」(米国人とアジア人の両親を持つ子どもたち)のための公民科教材ができました。北上田源さん(アメラジアン・スクール・イン・オキナワ教員)の科研費報告書『「移動する子どもたち」を対象とした中学校社会科教材開発研究』に収録されています。生徒自身の状況に即した「主体的な学び」を促すと同時に、中学校指導要領も踏まえた内容で、読解にはある程度の日本語力が必要ですが記述はわかりやすく、アメラジアンの子特有の内容を支援者が各現場の状況に置き換える工夫をすることで全国で利用可です。

 報告書はまだ在庫があり、以下の方法で分けていただけます。
@メールで北上田さん(e003325@hotmail.com)に在庫の有無を問い合わせる、A300円分切手を貼った厚さ1cmのA4判冊子が入る返信用封筒に、送り先と「ゆうメール」の文言を明記し、封筒の蓋の部分を5cmほど切り取って送る。 


 

2014年度 高校進学進路ガイダンス〈各地の情報〉    2014.09現在

高校進学ガイダンス実施情報の詳細を当センター・ホームページにアップしています。
http://www.kikokusha-center.or.jp/shien_joho/shingaku/guidance/2014guidance.htm

9月20日以降の予定は以下の通りです。
埼玉県9/28、10/26 千葉県9/28、10/5、10/12、10/13 東京都9/28、10/5、10/19 
神奈川県、9/23、9/28、10/5、10/13、10/26 富山県9/25、10/30 石川県9/28、長野県9/28
大阪府10/12、10/13、10/19、10/26、10/27、11/1、11/5、11/8、12/13 滋賀県10/19
奈良県9/26

ガイダンスの内容やスケジュール、参加予約の要不要、通訳の予約などは事前に連絡先にお問い合わせください。


 

中国帰国者定着促進センター JSLコミュニケーション力水準評価

 2010年に当センターの紀要第12号で中間報告として紹介した「中国帰国者コミュニケーション力水準の設定と判定テストの開発」プロジェクトのその後ですが、2014年度日本語教育学会春季大会のポスター発表において、「中国帰国者の対面コミュニケーション力の測定・評価システムとその結果」として、その一部を紹介する機会を得ました。
 今回、このポスター発表をもとに、現在の当センターの「JSLコミュニケーション力水準評価」としてまとめ直し、当センターHPで公開しています。皆様からのご意見・ご教示をお待ちしております。内容は以下の通りです。

@生活者としての「帰国者」像と評価の位置づけ 
Aコミュニケーション力水準表と面接法 
B面接シート
C評価の観点とフィードバックの観点 
D評定結果データ 
Eコミュニケーション力水準アッププログラム 
F今後の課題と日本人に必要なコミュニケーション力


 

平成27年度 奨学金情報

10月末頃から奨学金の募集期間に入ります。詳細は各機関のホームページでご確認ください。

★(財)山崎豊子文化財団「中国帰国子女高等学校等奨学金」−返済の義務なし−

対象:大阪府内に住み、府内の公立高校・公立高専・公立専修学校に入学を希望する中学3年生
・募集期間:平成26年11月1日〜11月25日
・奨学金:月額2万円
・連絡先:Tel 072-266-2522

★(公財)中国残留孤児援護基金「就学資金対象者募集案内」−貸与−

@大学及び専修学校、日本語等教育機関等への就学、A鍼灸師養成への就学に必要な資金が貸与されます。
・締切り @平成27年1月30日 
A平成26年12月15日
・連絡先:Tel:03-3501-1050
※詳細は11月1日、ホームページに公開予定
 http://www.engokikin.or.jp/

★社会福祉法人 さぽうと21 
@「坪井一郎・仁子 学生支援プログラム」、A「生活支援プログラム」 −返済の義務なし−

@対象:支給年度に大学3年生以上または大学院在籍者
(4月に大学3年生になる者や、大学院の入学予定者も応募可)
・募集要項公開:10月下旬/募集期間:11月中旬〜12月中旬(予定)
※ 大学生は、「生活支援プログラム」にも応募可。(同時受給は不可)
A対象:日本国内の高校、専門学校、大学に通っている方
(4月の入学予定者も応募可)
・募集要項公開:11月下旬/募集期間:年始〜2月初旬(予定)
・連絡先:Tel:03-5449-1331
※ 大学3年生 ・ 4年生は、「坪井一郎 ・ 仁子学生支援プログラム」にも応募可。(同時受給は不可)
※募集要項はホームページ http://www.support21.or.jp/ で公開予定 


〈進学進路情報〉

◆今年も11月上旬に更新予定!
《全国中国帰国生徒及び外国籍生徒への高校入試特別措置情報》
《昼間の中学校編入情報》
―いずれも47都道府県+政令指定都市のうち12都市の市立高校調査―

◆随時更新!《2015年度(2015年4月入学)中国引揚者等子女特別枠のある大学入試情報 ホーム ページアドレス一覧》
当センター・ホームページ「同声・同気」トップ−支援情報→〈2)進学・進路情報


 

ニュース記事から 2014.8.1〜2014.9.17

2014/08/28 高校の帰国生徒特別入試継続を求め市民ら県教育長に質問書/奈良
2014/09/05 樺太等残留邦人14名が6日より11日間集団一時帰国/厚労省
2014/09/11 中国残留邦人二世を考えるシンポジウム開催/福岡市 ※
2014/09/12 中国残留邦人16名が16日より12日間集団一時帰国/厚労省

※九州弁護士会連合会は6月、国の政策が残留邦人二世の人権を侵害しているとして安倍首相に勧告書を出したが、それに続き「中国残留帰国者の現在と問題点〜尊厳ある共生社会を目指して」をテーマに13日にシンポジウム開催。(「同声・同気」web版8月号参照)

☆NPO法人 〈日本サハリン協会〉会報『チャイカ』より☆
  2014/10/15-25 サハリン残留邦人集団一時帰国(12名)


『望郷の鐘』−中国残留孤児の父・山本慈昭− 東京で有料試写会

 長野県阿智村長岳寺の元住職で、中国残留孤児の父と呼ばれる故・山本慈昭さんの生涯をたどる映画「望郷の鐘−満蒙開拓団の落日」の有料試写会が東京で行われます。

 2014年11月14日(金)開場18:30/開映19:00 なかのZERO大ホール
 2014年11月21日(金)開場18:30/開映19:00 なかのZERO小ホール

東京都中野区中野2-9-7 アクセス:JR・東西線「中野駅」南口徒歩7分
当日券:1800円 ※製作協力券(1000円)で入場できます。

原作(しなのき書房)・脚本:和田登 監督:山田火砂子 主演:内藤剛志
製作:(株)現代ぷろだくしょん 
お問合せ:現代ぷろだくしょん 03-5332-3991 e-mail: gendaipro@gendaipro.com

☆長野県先行上映決定:12月初旬☆
長野ロキシー、飯田センゲキシネマズ、松本シネマライツ

 


 

児童文学で戦争を伝える 増田昭一 作品紹介

 『同声・同気』web版8月号でとりあげた、終戦後の満州残留孤児たちの姿を描くドラマ『遠い約束〜星になったこどもたち〜』が8月25日に放映されました。
 ドラマの原作となった『満州の星くずと散った子供たちの遺書―新京敷島地区難民収容所の孤児たち』、『戦場のサブちゃんとゴン』、『約束』(夢工房刊)の原作者増田昭一さんは精力的に児童文学の形で戦争の悲惨さを次世代に伝えようとされている方です。
 上記原作の外にも、『来なかったサンタクロース 』 (夢工房)、『金のひしゃく 北斗七星になった孤児たち』(中国残留孤児援護基金:送料税込1652円)などから出版されています。当センターHPには増田さんの許可を得て、『北満の星くずと散った子供たち』を掲載しています。ぜひご覧ください。

『北満の星くずと散った子供たち』より


※ トップ画面 → コンテンツガイド−帰国者とは → 手記・体験記→「北満の星くずと散った子供たち

増田昭一の本(夢工房)


 

中国・サハリン残留邦人 関係書籍特集 その3

 NL36号(2006年5月発行)、NL49号(2010年10月発行)で中国残留邦人等の書籍(手記・体験談・研究書・写真集等)を紹介しましたが、今回はそれ以降のものをご紹介します。
 「書名/著者/発行所/定価/発行年月/市販されていない場合は問合せ先/内容について」で、新しい順になっています。
※以前の書籍紹介は、トップ画面→教材・論文コーナー→6)孤児関連文献等 からどうぞ。

『葛根廟事件の証言-草原の惨劇・平和への祈り』
新風書房 \3700+税 2014/8 葛根廟(かっこんびょう)事件は、昭和20年8月14日、満州に侵攻してきたソ連軍の戦車群によって約1000人が犠牲になった惨劇。
 『聞き書きと調査研究「下伊那から満州を考える1」』
満州移民を考える会 \800+税2014/7事務局齋藤俊江0265-29-7288 『下伊那の中の満州 聞き書き報告集1〜10』の志を引き継いだ、聞き書きと調査研究。
『大連での悲しい思い出』
鈴木スミ 文芸社 \1100+税2014/6 残留孤児になりかかった筆者の手記。大連で両手両足麻痺の不自由な体となり、帰国後割り箸をくわえて一字一字タイプしたものを筆者の娘がまとめたもの。
 『祖国は遠かった-中国残留日本人孤児の証言』
山形日中友好協会\1600(税込)2014/5 平和の碑・中国残留帰国者墓苑建設委員会の高橋幸喜事務局長023-645-3877 残留孤児たちの体験手記。NL58号で紹介。
『満州に輝く星』
赤崎大 \1200+税 2014/3赤崎090-8932-1816 旧満州で生まれた少年が、兄と2人だけで生き抜き、帰国するまでの苦難を記した自伝。
 『渡満とは何だったのか-東京都満州開拓民の記録-』 高橋健男 ゆまに書房 \8000+税2013/12 東京都が送出した満州開拓団の入植から引き揚げ、そして戦後の再入植の顛末を詳細に記した史書。
『ウクライナに抑留された日本人』
O.ポトィリチャク、Vカルポフ、竹内高明、長勢了治 東洋書店 \800+税2013/12ウクライナにも日本人抑留者はいた。「シベリア抑留」の知られざる一面に光を当てるはじめての研究書。
 『望郷の鐘 中国残留孤児の父・山本慈昭』
和田登 しなのき書房 \1260(税込)2013/8 みずからも満州で過酷な体験をしながら、生涯を残留孤児たちの肉親さがしにささげ「中国残留孤児の父」といわれた山本慈昭の生涯。
『沈まぬ夕陽』(復刻版)
中繁彦 \1470+税2013/8信濃毎日出版部
026-236-3377敗戦後中国に取り残された残留婦人と孤児たちが祖国に帰国できるよう、献身的に支援を続けてきた中島多鶴さんの活動を綴った書。
『証言 それぞれの記憶』
満蒙開拓平和記念館発行 \500(税込)2013/8 満蒙開拓平和記念館 0265-43-5580 同記念館の展示コーナー『証言 それぞれの記憶』の13人の証言をまとめた冊子。
『花なき墓標-五戸郷開拓団の終焉-満州開拓団女教師の記録死線をこえて』
川崎文三郎、田中コノ、塚原常次 \1800+税2013/7塚原さんFAX:048-874-8287 旧満州の「大青森郷開拓団」についてつづった本を復刻、自費出版。
 『千代!旧満州に生きて』
石川千代\800(税込)2013/5 高知県日中友好協会088-825-0513 日本敗戦後に旧満州に取り残されて孤児となり、1984年夏に帰国を果たすまでの日々をまとめた手記。
『風雪に耐えて ある中国残留孤児の記録』
島本和成 今谷印刷株式会社 \2800(税込)2012/12広島総合法律会計事務所内 弁護士・秋田智佳子082-227-1100 第15回日本自費出版文化賞のグラフィック部門・特別賞を受賞。
風雪に耐えて咲く寒梅のように-二つの祖国の狭間に生きて』 可児力一郎 信濃毎日新聞社 \1600+税2012/9 長野県吾妻村(現南木曽町)から渡満。1945年9月から方正県での残留生活を経て、帰国後の生活の苦労までを記した手記。
『東京満蒙開拓団』
東京の満蒙開拓団を知る会著 ゆまに書房 \1800+税2012/8 5年の歳月をかけ、書籍、新聞から公文書まで調査し、さらに聞き書きを加え、東京からの満蒙開拓団の全貌をあきらかにする研究書。
『死んでたまるか!満州からの脱出』
福田さだ子 文芸社\600+税2012/8 著者の回想にとどまらず、文献をひも解き、当時の背景説明と図表を加え、戦争を知らない読者にも理解できるよう著した、満州引き揚げの貴重な記録。
『長春発ビエンチャン行 青春各駅停車』
城戸久枝 文芸春秋\1800+税2011/11 中国残留孤児だった父親の半生を尋ねて長春に留学した著者が記す、留学中のもうひとつの物語。NL40号で紹介した城戸さんの著書。
 『「中国残留孤児」の社会学』
張嵐 青弓社 \4600+税2011/10中国残留孤児が日中の狭間でどう生きてきたのかを一世・二世・中国人養父母へのインタビューを通して描き、戦争と日中関係を考える学術書。
『「中国残留婦人」を知っていますか』
東志津 岩波ジュニア新書 \820+税 2011/8 
中国残留婦人が生まれた経緯、帰国してからの暮らしなど、戦争体験を語り継ぐ意味と、平和の大切さを訴える。
 『下伊那のなかの満洲 聞き書き報告集9・10』
満蒙開拓を語りつぐ会編各 \1000(税込)2011/7、2012/7 飯田市歴史研究所0265-53-4670 満州移民体験者の思いと記憶をまとめた聞き書き集。NL52、54号で紹介。
『中国朝鮮族を生きる 旧満州の記憶』
戸田郁子 岩波書店\2500+税 2011/6
「満州」建国時代の記憶を、そこに住む朝鮮族の人々から直接取材し綴った書。 
『わたしたちは歴史の中に生きている−「中国残留邦人」と家族 10の物語』 
NPO法人中国帰国者の会編 \1000(税込)2011/3中国帰国者の会03-5347-2636 中国残留邦人や家族らの体験談を聞き取りまとめた。NL51号で紹介。
『置き去りにめげずカザフスタンで生き抜いた同胞たち』 小川岟一 2010/7 絶版のため当センターHP「帰国者とは-手記・体験記」にアップ。敗戦後、サハリンから連行され、カザフスタンに置き去りにされた残留日本人たちの軌跡を描いた書。NL55号で紹介。  『新潟県満州開拓史』
高橋健男 \5500+税 2010/5 新潟県見附市役所企画調整課秘書広報係0258-62-1700(内線316) 県出身者が所属した65開拓団をすべて網羅した初めての記録。自費出版。

 

遠隔学習インフォメーション

無料で学べる「遠隔学習課程(通信教育)」を帰国者の皆さんにお薦めください!

H26年度下期の「募集要項」を10月上旬に帰国者の方々にお送りしました。サハリン帰国者向けの募集要項も、11月頃お送りする予定です。募集要項を受け取っても、内容を確認されない方もいらっしゃいます。「日本語の勉強を始めたいけど時間がないなあ」という方、「自分に合う教室がない」「自分のペースで勉強したい」という帰国者の方がいらっしゃいましたら、是非、本課程をお薦めください。中国帰国者向け25コース、サハリン帰国者向け12コースの中から、自分の興味やレベルにあったコースを選べます。居住地によっては対面で月一回程度、指導を受けられる「スクーリング」もあります。コースの詳細や教材見本(音声もあり)を見てみたい方は、当センターのホームページ(http://www.kikokusha-center.or.jp)をご覧ください。
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お知らせ

★web版『同声・同気』は、情報掲載時に、その内容をメールにてお知らせすることができますので、ご希望の方は、以下の宛先まで、@お名前(団体窓口者の方は団体名も)とAご自身のメールアドレスをお送りください。
宛先:tongtong@kikokusha-center.or.jp
(お問い合わせは 電話04-2993-1660 FAX 04-2991-1689)