第49号(2010年10月27日発行)  PDFファイル

地域情報ア・ラ・カルト
「中国帰国者定着促進友の会」、帰国者とともに歩んだ26年の活動に幕
行政・施策
厚生労働省から 〈お知らせとお願い〉
「満額の老齢基礎年金等の受給」のための一時金申請手続きはお済みですか?
研修会情報  研修会報告
平成22年度「文化庁日本語教育大会」
教材・教育資料
 『あーすぷらざ外国人教育相談報告書』:かながわ国際交流財団
 最近出版された中国残留孤児援護基金出版教材
 外国につながる子どもたちのための教材:東京外国語大学多言語・多文化教育研究センター
 「プレスクール実施マニュアル」:愛知県HP
 『外国人の子どもに向けたキャリアガイド(多言語での職業案内)』:三重県生活・文化部国際室HP

とん・とんインフォメーション
・中国残留邦人関係書籍特集
  災害、緊急時に参考になるサイトや本を紹介します
・『多言語版 救急時情報収集シート』
・東京で暮らす外国人のための『災害時の外国人支援Q&Aマニュアル』
・『災害時に役立つ!通訳・翻訳ボランティアハンドブック』
所沢センターより
・『中国帰国者定着促進センター紀要 第12号』発行のお知らせ
・「中国帰国者コミュニケーション力水準」の設定と判定テストの開発について
・ニューズレター「WEB版・お知らせメール」のお知らせ
・《全国の高校入試特別措置情報・中学校編入関係情報》をホームページに掲載
三世制作のポストカード発売!:中国帰国者の会
奨学金情報 さぽうと21
ニュース記事から 2010.05.21〜2010.10.14
遠隔学習インフォメーション
 2010年度 下期「遠隔学習課程」受講者募集!
事例紹介
 接客コンテストで入賞しました!

地域情報ア・ラ・カルト

「中国帰国者定着促進友の会」、帰国者とともに歩んだ26年の活動に幕

 中国帰国者定着促進センター設立の翌1985年3月以来、センターの帰国者をそして研修活動を側面から支援し続けてくれた「中国帰国者定着促進友の会」が、今年8月、26年余の活動にピリオドをうった。同会はこれまでセンターに協力して、中国、樺太からの帰国者と家族1763世帯6543人を全国各地に送り出した。
 当初は200人ほどの会員数だったが、ニュース等で帰国孤児の報道が盛んになると会員は全国に広がり、大量帰国時代(1986年)には、会員数は1400人余りにも上った。しかし、近年の帰国者数の大幅な減少及び友の会会員の高齢化とともに会員数が減ったことが解散の主な理由だという。「戦後処理を市民の立場から支援できて、一定の役割が果たせた」と会の活動を総括した清水滋雄会長も「最後の一人が帰国するまで続けたかった」と無念さをのぞかせた。
 設立のきっかけは、所沢市に残留孤児の受け入れ施設(当センターのこと)が開設されることを知った周辺の老人会、商店会、団地自治会のあいだで「何か出来ることはないか」という思いが広がったことからだった。センターが開設されると、各団体はそれぞれ独自にセンターと接触し、帰国者が日本人の暮らしに少しでも触れ、理解できるようにとの思いから、花見会、夏祭り、励ます会等が催された。
 しかし、ばらばらに活動するよりも、一つになって活動する方がより良い支援ができるだろうと、3ヶ月の準備期間を経てこの「友の会」が発足した。自身も旧満州からの引揚者である事務局長の木村さんは「残留孤児はとても人ごととは思えなかった。何か手伝いたいと、居ても立ってもいられなかった」(2010年4月2日発行毎日新聞)と当時を振り返る。
 センター開設の当初は、日本語教育の“交流実習”にも多くの「友の会」の皆さんが参加して下さった。病院場面での医師や看護師役、就職面接場面での面接官役、子供たちの場合には校長先生役等、様々な生活場面での役割や、帰国者が教師役となる“教える”活動「趣味講座」の受講生として、時には、日中生活事情や文化差を巡る座談会での日本人側参加者として等、いろいろな役割を担ってくれた。そして年月とともに、次第に支援活動は多岐に広がっていった。教具(日中辞典・日露辞典)の贈呈、研修棟・宿泊棟の庭まわりを手入れし、花や木に囲まれてのいやしの場を提供する「花とみどりの活動」、折り紙教室、音楽交流会、マンツーマンのパソコン教室、入所生を励ます集い(花見会、納涼大会、年忘れの会)、修了記念品贈呈等。研修生が退所した後も会報『ともだち』を年3回全国各地の全世帯へ送り、友の会の活動の様子、修了生から募集した原稿も載せた。そして、毎年年末には年賀状も全世帯へ送り、変わらぬ良き友として応援し続けていた。また、毎年秋には「所沢市民フェスティバル」に参加し、所沢及び近隣の市民に帰国者について理解を深めてもらう啓蒙活動も行っていた。
 26年間ともに歩んでくれた「友の会」がなくなってしまうことは、寂しく残念であるが、これからも良き「友人」「隣人」としてセンターそして研修生を見守っていただきたいと願っている。 (小松)

行政・施策

厚生労働省から

〈お知らせとお願い〉

「満額の老齢基礎年金等の受給」のための一時金申請手続きはお済みですか?

 平成20年から開始された支援策により、中国残留邦人等ご本人で日本へ永住帰国してから引き続き1年以上日本に居住するなどの一定の条件を満たした方(特定中国残留邦人等) は、「満額の老齢基礎年金等」を受給できます。
 この満額の老齢基礎年金等を受給するためには、「特定中国残留邦人等に対する一時金申請書」を厚生労働省に申請する必要があり、権利を取得した日(永住帰国から1年経過した日)から5年経つ(※)と申請ができなくなります。
(※)平成20年1月1日に権利を取得した方(平成20年1月1日において永住帰国してから1年以上を経過している方)の申請期間は、平成24年12月31日までとなります。

 既に、永住帰国されたほとんどの方が、この年金の申請を行っていますが、まだ一時金申請を行っていない方、または申請を行っていない方をご存じの方は、厚生労働省までご連絡ください。

 【連絡先】厚生労働省社会・援護局援護企画課中国孤児等対策室
電話:03-3595-2456(直通 平日の9時から17時45分まで)

研修会情報 研修会報告

研修会報告/平成22年度「文化庁日本語教育大会」

http://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/kyouiku/taikai/22_tokyo/index.html

 上記大会が、8月27日(金)に昭和女子大学グリーンホール(東京都世田谷区)で開催されました。午前は開会あいさつ、文部科学省と文化庁の施策説明に続き、羽衣国際大学准教授のJ.A.T.D.にしゃんた氏が「違いを楽しみ力にかえる〜ことばの壁を越えて」というテーマで特別講演を行いました。午後は、「「生活者としての外国人」に対する標準的なカリキュラム案について考える」という本年度の全体テーマに沿って、文化審議会国語分科会日本語教育小委員会主査(西原鈴子元東京女子大学教授)による審議状況の説明に続き、「標準的なカリキュラム案の可能性」というテーマでパネルディスカッション(進行:伊東祐郎東京外国語大学教授)がありました。その後、昨年度の文化庁「生活者としての外国人」のための日本語教育事業の報告会と、その成果を踏まえた「生活者としての外国人」のための日本語教育事業協議会が行われました。
 本大会では参考になる話がたくさん出ましたが、個人的に最も興味深かったのは午前の特別講演でした。ここではその様子を報告します。スリランカ出身でシンハラ語を母語とする講演者は1987年に来日。京都YMCAで日本語を学び、1年で日本語能力試験1級に合格。立命館大学経営学部に入学し、在学中は国際交流活動に打ち込んだそうです。本当は学部卒業後に就職したかったのに「国籍条項」の壁に阻まれ、やむなく進学して経済学博士号を取得。2年前に日本人と結婚し、娘さんが1人いるとのことです。関西で母語話者並みの日本語を身につけただけのことはあって、ユーモアに富んだ話術が実に魅力的でした。次々に繰り出される多文化共生にかかわるエピソードは、『ダーリンは外国人』や『日本人の知らない日本語』の世界に通じるものもありました。
 以下、講演の中で印象に残ったことを、いくつか紹介します。

教材・教育資料

『あーすぷらざ外国人教育相談報告書』
2010年5月 A4判 74頁(財)かながわ国際交流財団発行

 上記財団が運営する「神奈川県立地球市民かながわプラザ(あーすぷらざ)」(NL44号で紹介)の外国人児童生徒を支援するための多言語資料は大変充実しており、遠方からの問い合わせに対応するために作成した「ダウンロードリスト」などは子ども支援者にとって最も便利なサイトの一つで、報告書の資料編にも掲載されています。
 上記財団では、2006年度より「あーすぷらざ」の中に「あーすぷらざ外国人教育相談」を開設し、外国人児童生徒や保護者、学校関係者やボランティアからの相談対応などを行ってきました。
 この教育相談は多言語(中国語、スペイン語、タガログ語、やさしい日本語)で行われ、週に一度、14時から17時まで、各言語圏出身のサポーターと日本人の相談コーディネーターが協力して実施しています。
 この報告書は2006年度から2009年度までの4年間の相談の記録をまとめたものです。
 第1章は「相談概要」、第2章は「制度的な課題」「保護者が感じる困難」「学びを支える環境の課題」「困難をこえるために」の4つの節に分かれ、相談事例が具体的に記述されており、そこから外国人児童生徒の抱える問題が見えてきます。
資料編の「参考になるホームページと図書資料」、「学年・教科別 外国人児童生徒用教科指導用教材一覧(小学校編・中学校編)」などは支援者たちがすぐに利用できる情報満載です。

報告書は「あーすぷらざ」のHPの以下のアドレスからダウンロードできます。
http://www.k-i-a.or.jp/plaza/forum/foreign_education/report.html


最近出版された中国残留孤児援護基金出版教材

●中国語話者向け
『ひらがな練習帳1 読んでみよう(大文字版)』A4判68頁、500円
『ひらがな練習帳1 読んでみよう』を、視力の弱い高齢の学習者向けに拡大。
全単語楽しいカットつきで、あ行・か行…と1行ずつ学習を進めることができる。

●ロシア語話者向け
『漢字をおぼえよう 4〜6 ロシア語を母語とする人のための漢字教材』各A4判、141頁2000円
『漢字をおぼえよう1〜3』の続編。1〜2では、日本の小学校低学年で学ぶ漢字を、3〜6では高学年で学ぶ漢字566字を扱っている。分冊4では、そのうち141字、分冊5では142字、分冊6では140字。
『ことばと表現 T〜W ロシア語版』A4判、Tは178頁、Uは173頁、Vは188頁、Wは145頁、各1300円、CD1枚つき。
平仮名既習者を対象とした日本語の語彙と文法文型を学習する教室用教材。入門〜初級前半。自分自身の身近な事柄について、話す・聞く・読む・書く練習を通して、基礎的な日本語力を身につけることができる。

〔注文先〕
〒105-0001 東京部港区虎ノ門1-5-8オフィス虎ノ門1ビル
財団法人中国残留孤児援護基金 TEL 03-3501-1050/FAX 03-3501-1026
 mail:kyouzai@engokikin.or.jp
注文用フォーマット(*)に必要事項を記入してメールあるいは郵送でお送りください。 
*注文フォーマットは http://www.engokikin.or.jp/shuppanbutsu.htm からダウンロード可能
※5,000円以上注文の場合、送料は当基金で負担します。
教材の内容について詳しいことをお知りになりたい場合は、所沢センター(TEL 04-2993-1660)に連絡してください。


東京外国語大学 多言語・多文化教育研究センターによる
外国につながる子どもたちのための教材を無償提供

http://www.tufs.ac.jp/blog/ts/g/cemmer/social_02.html

同センターでは、外国につながる子どもたちのための教材を開発し、ウェブサイトから自由にダウンロードできるようにしています。

   *ポルトガル語版  算数(足し算・引き算、掛け算、割り算、分数)、1〜3年生配当漢字
   *タガログ語版   算数(足し算・引き算、掛け算)、1〜3年生配当漢字
   *スペイン語版   1〜3年生配当漢字

また、算数教材のうち一部の教材について、普及用の冊子も配布しているとのことです。
詳細は、http://www.tufs.ac.jp/blog/ts/g/cemmer/2010/01/post_126.html


全国初!「プレスクール実施マニュアル」2009年10月
愛知県プレスクール実施マニュアル検討委員会

 日本語が理解できない外国人の子どもたちが、日本の小学校で戸惑い、学校生活に適応できないことは少なくありません。そんな中、全国で初めて「プレスクール(就学前の外国人の子どもへの初期の日本語指導・学校生活指導)の実施マニュアル」ができました。プレスクール事業を企画・運営する際のポイントや、子どもへの学校生活指導・日本語指導の進め方のほかに、資料として教材・活動集(一部ポルトガル語つき)なども載っていて、とても参考になります。このマニュアルはダウンロードが可能です。
愛知県のHP http://www.pref.aichi.jp/0000028953.html


『外国人の子どもに向けたキャリアガイド(多言語での職業案内)』

 日本で暮らす外国人の子どもにとって、「将来〜の仕事がしたい!」と思っても母語で得られる情報は十分ではありません。具体的にどうやったらなれるのかなかなかわからないものです。そこで三重県では母語(ポルトガル語、スペイン語、英語、中国語(簡体字)の4言語)で26種類(保育士、消防官、ホームヘルパー介護福祉士、大工等々)の日本の職業を紹介するサイトを作成し、どのような職業なのか、その職業に就くためにはどのような資格を必要とし、どこで学習したらよいか、費用はどのくらいかかるかといった情報を掲載しています。以下のHPからダウンロードもできます。
企画・制作:三重県市町 多文化共生ワーキング
http://www.pref.mie.jp/KOKUSAI/HP/data/careerguide.htm

とん・とんインフォメーション

中国残留邦人関係書籍特集

 中国残留邦人関係の書籍が、自費出版や冊子も含め次々に刊行されています。過去にNLでとりあげたものを含め、最近(2007年以降)のものをいくつかご紹介します。(※新しい順)

『下伊那のなかの満洲―聞き書き報告集8』
 満蒙開拓を語りつぐ会編 800円 2010/08
 満洲移民体験者の思いと記憶をまとめた聞き書き集。飯田市のHPを参照してください。
問合せ先:0265-53-4670(飯田市歴史研究所)
『中国残留日本人孤児に関する調査と研究(上下巻)』 関亜新・張志坤著、トウガン・浅野慎一監訳
不二出版 上下セット3万円 2008/12
中国で2005年に刊行された『日本遺孤調査研究』(社会科学文献出版社)の全訳
『二つの国の狭間で-中国残留邦人聞き書き集-』 第5集 中国帰国者支援・交流センター編 2010/03
 NL48号で紹介。第1集から第5集まで、中国帰国者支援・交流センターのホームページでご覧になれます。
『私たち、「何じん」ですか?―「中国残留孤児」たちはいま…』
樋口岳大:文、宗景正:写真 高文研
1700円 2008/12
中国残留孤児を文と写真で紹介
『嗚呼第十三次満洲興安東京荏原郷開拓団 第十三次満洲興安東京開拓団の最後』
 足立守三、坪川秀夫、吉岡源治著 1890円 2009/12
開拓団引揚者による手記数冊を1冊にまとめたもの 問合せ先:03-3977-1501(塚原常次)
『「中国残留孤児」帰国者の人権擁護 国家という集団と個人の人権』
白石惠美著 明石書店 2800円+税 2008/06
中国残留孤児帰国者の実態調査をまとめた論文
『生獄』
 柏実著 文芸社 1575円 2009/12
7歳で体験した過酷な満州からの引揚げの実態を綴ったノンフィクション
『凍土からの叫び―満州中川村開拓団の軌跡』
大野定二、塚原常次著 1575円 2008/06
昭和63年発行の再刊。49人の手記に今回研究論文を追加。 問合せ先:0494-22-1652(大野)
『赤い夕陽の満州にて 「昭和」への旅』
 高橋健男著 文芸社 2520円 2009/10
『満州-開拓民悲史』
 高橋健男著 批評社 3150円 2008/07
中国での現地調査と聞き取りをまとめた論文
『遠かった祖国への道』
奈良中国帰国者支援交流会 1000円 2008/01 
中国残留孤児と婦人の体験 NL42号で紹介
問合せ先:0742-48-1860
『中国残留日本人という経験  「満洲」と日本を問い続けて』 蘭信三編 勉誠出版 8400円 2009/09
総論のほか、「中国残留日本人という経験」「中国帰国者という経験」「中国帰国児童生徒という経験」「引揚げの比較社会学序説」の4部からなる論文集
『満州泰阜分村-70年の歴史と記憶』
 編集委員会編 不二出版 8000円+税 2007/10
体験者の声、研究者の学術論文、役場の資料等をまとめたもの
『生きて生きぬいて恵子と明子 ある中国残留孤児をめぐる100年の記憶』
向井嘉之著 自費出版 2009/06
希望者に送料のみで(残100部ほど)
残留孤児の姉妹の半生を綴る
問合せ先:0749-43-7626(聖泉大学向井研究室)
『あの戦争から遠く離れて―私につながる歴史をたどる旅』 城戸久枝著 情報センター出版局
 1680円 2007/08
NHK土曜ドラマ『遥かなる絆』の原作、NL40号で紹介
『「孫玉福」39年目の真実-あの戦争から遠く離れて外伝』 城戸幹著 情報センター出版局
 1575円 2009/03
 『あの戦争から遠く離れて』の主人公自身による手記
『中国農民が証す「満州開拓」の実相』
西田勝、孫継武、鄭敏著 小学館
3200円+税 2007/07
「満州開拓」による被害者の証言や記憶を集めたもの
『望郷の情 中国残留の母と娘が語る大連の日々』
森芳江、森英子著 自費出版
1500円 2009/03 
残留婦人である母と娘の手記
問合せ先:078-928-0988
『満洲 記憶と歴史』
 山本有造著 京都大学学術出版会
 4700+税 2007/03 
京都大学人文研究所の共同研究成果報告書、NL40号で紹介

災害、緊急時に参考になるサイトや本を紹介します

『多言語版 救急時情報収集シート』
多文化共生センターひょうご http://www.tabunka.jp/hyogo/

 日本語によるコミュニケーション力が不十分な外国人の救急患者が発生した際に、患者や家族などと救急隊員の間で意思疎通を迅速にはかるための「指さし式」の対訳集です。
 救急隊の行動を説明し、必要な情報(症状、患部、既往歴など)を把握するための「情報収集シート」と、救急現場で使う「医療用語集」から構成され、日本語対訳、カタカナによる外国語の読みを併記しています。
現在、20カ国の言語(日本語、英語、中国語(簡体字・繁体字)、韓国朝鮮語、ポルトガル語、スペイン語、タガログ語、ロシア語、インドネシア語、ベトナム語、タイ語、ネパール語、アラビア語、ペルシア語、ルーマニア語、ブルガリア語、ラオス語、ハンガリー語、ドイツ語)がhttp://www.tabunka.jp/hyogo/119/index.htmlよりダウンロード可能です。
ガイドの作成にあたり、神戸市消防局救急救助課、神戸市東灘消防署救急隊の協力があり、現在神戸市の救急車全車に配備されているとのことです。

東京で暮らす外国人のための『災害時の外国人支援Q&Aマニュアル』
平成21年3月発行 編集・発行:東京都国際交流委員会http://www.tokyo-icc.jp/

 地震などの災害発生時に、外国人からの問い合わせがあると予想される質問とそれに対する基本的な答えがQ&A集としてまとめられています。日本語、英語、中国語、韓国・朝鮮語、タガログ語の5ヶ国語版があり、内容は避難、救護、食糧、連絡・情報、生活、ライフライン、住居、手続き・証明書、こころのケアなど
http://www.tokyo-icc.jp/qa/index.htmlよりダウンロード可能です。

『災害時に役立つ!通訳・翻訳ボランティアハンドブック』
特定非営利活動法人 多文化共生センター A5判56頁(2006年) 価格1000円(税込)
連絡先:多文化共生センター大阪 http://www.tabunka.jp/osaka/ E-Mail:osaka@tabunka.jp

 災害発生時に、外国人被災者への多言語による情報提供や支援活動がスムーズに行われるために、被災地で活躍する通訳・翻訳ボランティアの自学自習用テキストとして作成されました。通訳・翻訳ボランティアが身につけておきたい心構えや、事前に知っておきたい知識や情報に焦点を絞り、体系化して解説しています。


所沢センターより

『中国帰国者定着促進センター紀要 第12号』発行のお知らせ

★当センターホームページ(http://www.kikokusha-center.or.jp)
〈所沢センターから〉のコーナー → 紀要 → 第12号
中国帰国者支援・交流センター(首都圏センター)ができてから9年、前号(11号)では、この首都圏センターにおける《交流事業》の歩みを、今号では、首都圏センター事業のもう1つの大きな柱であった《遠隔学習課程(通信教育)》※の9年間をまとめることができました。この他には、2007年から取り組んでいる当センタープロジェクトである《「中国帰国者〈コミュニケーション力〉水準」の設定と判定テストの開発》についての中間報告、また、十数年ぶりに改訂した当センターカリキュラムの《「目標構造表」および新たに開発した「自己評価表」》、2008年に開講した《遠隔学習課程「自己表現作文コース」(帰国者としての体験を日本語で表現し伝えるために)》についての報告、そして当センターの〈子どもコース〉における《小学生クラスの小学校体験入学》についてのレポートを掲載しています。
 また、今回は、センター外からも、貴重な実践報告とレポートをいただくことができました。どちらも、日本で成長して社会人となる子供たちの人生の“スタートライン”について考えるときに重要な示唆を与えてくれるものです。
《実践報告:JSL進路学習の試み−自覚的に高校進学を考える中学生を育てるために》
《日本生まれの子どもたちへの日本語支援−地域での支援を通して思うこと−》
また、巻末には、当センターと首都圏センターの各種統計資料もまとめています。
所沢センター《入退所者・遠隔学習課程 統計》 首都圏センター《通学課程・交流活動 統計》
※ 遠隔学習課程(通信教育)は、2008年4月より、当センターが担当しています。

所沢近況:「中国帰国者コミュニケーション力水準」の設定と判定テストの開発について

  紀要12号で中間報告を行った上記のプロジェクトが進行中です。
  所沢での研修の「評価」システムを再考して、所沢修了後、または所沢を経ない帰国者を含めた“生活者としての帰国者”の日本語力を、中長期的な視点から評価できる基準を設定することは、以前からの大きな課題となっていました。特に、“生活者”にとって最も重要となるコミュニケーション力について「水準表(TからXの5段階)」を作成するとともに、この「水準」を判定するための簡便なテストを開発することが、今回のプロジェクトの中心となる作業でした。この水準判定テスト(インタビュー形式による日本語面接)を用いて、学習者自身が現在のレベルを把握することができれば、次の目標を意識した自律的な学習に、そして支援者にとっては効果的な学習支援に結びつけることができるのではないかと思います。
  所沢入所生の退所時のコミュニケーション力の水準はどのくらいか、また、2・3世は退所後の生活の中でその力をどう伸ばしていっているのか、呼び寄せの2・3世はどうか、滞日年数や日本語学習開始時の年齢、また、学習環境や職場等の生活環境などの違いによってどのような差が出るのか等々、この水準判定テストを用いてデータを集めることで見えてくる多くの課題があります。コミュニケーション力の水準を高めるためにはどのような学習支援が必要か、教材開発を含め、この課題の解決を図るための方策を立てることが今回のプロジェクトの最終的なねらいです。そのためにも、所沢修了以降の帰国者や呼び寄せ家族のコミュニケーション力については、まだまだデータを集めなければなりません。所沢では、これまで首都圏を中心に行ってきた水準判定テストを、各地の支援者に協力を仰いで首都圏以外にも広げて実施していきたいと考えています。

三世制作のポストカード発売!


NPO法人「中国帰国者の会」から絵はがきが発売されました。15歳から日本で暮らす中国残留婦人三世の写真作家高部心成(たかべしんせい)氏が写した「故郷」、黒龍江省の原風景6枚が収められています。モノクロで写し出された子どもたちの笑顔には、自然と融け合う村の豊かさが息づいています。
価格は1部(6枚組)300円、別途送料(80〜160円)がかかります(9部以上は送料無料)。売り上げは全て会の活動資金となるそうです。購入の申し込みは、以下まで。
  電話:03-3353-0841
(月〜金10:00-17:00、石井法律事務所)
  Fax :03-3353-0849(24時間)
詳細はホームページhttp://www.kikokusha.com/images/postcard/postcard.pdfをご確認ください。


奨学金情報 さぽうと21

 社会福祉法人 さぽうと21では、日本に在住する生活が困難な外国出身者(難民、中国帰国者・日系定住者の子弟等、外国籍または元外国籍の方、およびその子弟)を対象に、学業継続のための支援を二つ行っています。それぞれの支援名、支援額は以下の通りです。
*「坪井一郎・仁子 学生支援プログラム」
(年額:大学生は48〜72万円、大学院生は60〜96万円)
*「生活支援プログラム」
(上限月額:高校生は1万円、専門学校生・大学生・大学院生は3万円)
2011年度募集については、「学生支援プログラム」はホームページ(http://www.support21.or.jp/)にて既に詳細が見られます。「生活支援プログラム」は11〜12月頃に案内予定とのことです。

 問合せ先:社会福祉法人 さぽうと21事務局
Tel&fax:03-5449-1331
Email:info@support21.or.jp


ニューズレター「WEB版・お知らせメール」のお知らせ

 前号(48号)でお願いした経費削減へのご協力、ありがとうございました。49、50、52、53…号はweb版のみの発行になります。
web版発行予定日:6月末、10月末、2月末の年3回
「年1回の紙版を希望しているがメールによるお知らせもほしい」という方は、@氏名A住所Bお知らせメール希望と明記の上、メールアドレス の3点を書き込んだメールをこちらまでお送りください。
tongtong@kikokusha-center.or.jp


◇今年も《全国の高校入試特別措置情報・中学校編入関係情報》を当センター ホームページに掲載します! 11月上旬予定

◆今年から政令指定都市のうち12都市の市立高校の調査も新たに行い、調査範囲が拡大します!
◇《大学入試情報 −帰国者特別枠−》も随時更新中
当センターホームページ→〈進学進路情報〉コーナー

ニュース記事から

2010.05.21〜2010.10.14

2010/05/31 残留孤児の代表14人、厚労相と面談 新支援策で要望
2010/06/19 中国残留孤児NPOの餃子工房開店 「食べて応援を」/東京
2010/07/24 23日、中国人48人保護打ち切り 厚労相が大阪市方針を支持
2010/08/02 中国残留邦人2.3世の3割が生活保護受給…支援法対象外/神戸大、浅野教授の調査
2010/08/04 3日、来日直後に生活保護申請埼玉県内2市中国人23人
2010/08/14 中国帰国者定着促進友の会:所沢で解散式思い出話に90人/埼玉
2010/09/02 道内の中国・サハリン帰国者1世全193世帯10月から訪問調査へ/北海道中国帰国者支援交流センター
2010/09/04 笑顔の一時帰国第40次サハリン残留邦人、稚内港到着
2010/09/30 中国残留孤児:今年度確認ゼロ訪日調査も1981年以降初の見送り

遠隔学習インフォメーション

○2010年度 下期「遠隔学習課程」受講者募集!

 新しい募集要項を、10月上旬に全国の帰国者の皆さんにお送りいたしました。前回4月に行った募集の際には、受講可能コースが1コースでしたが、今回の募集要項では一人2コースまで受講可能となっております。日本語学習希望の帰国者がいらっしゃいましたら、是非、本課程をご紹介ください。
 来年2月には、新たに「生活場面日本語 学校コース」が開講の予定です。本コースは、主に小中学校(+幼稚園・保育園)に関する基本的知識と関連場面での基本的な会話を学び、親として積極的に学校場面に対応していく姿勢を作ることを目指しています。幼稚園、保育園、小中学校に在学中、或いはこれから通うお子さんをお持ちの2世3世の方にお勧めです!
 募集要項が必要な方はセンターまでご連絡ください。なお、HPからの応募も可能です。http://www.kikokusha-center.or.jp/

事例紹介

接客コンテストで入賞しました!

 遠隔学習課程を受講中のAさんは、帰国者二世の配偶者として来日し、現在、高速道路のサービスエリアに勤務しています。先日、Aさんから「会社主催の接客コンテストで約八千名いるスタッフの中の6名に選ばれました!」との嬉しい知らせがありました。Aさんの日本での奮闘ぶりを本人の作文とインタビューを交えてご紹介します。
(□の部分が作文です。)

日本に来て、そろそろ10年になります。10年間でいろいろな事がありました。最初はまったく日本語が話せないときに工場に入りました。毎日ほとんど残業しました。そのとき一番印象に残ったのは、日本人がまじめに一生懸命仕事をする姿でした。 

●工場ではどんなお仕事を?

 義父母が勤めていたプラスチックの工場で、カップラーメンの容器の検品をしていました。職場では帰国者やブラジルから来た人も働いていて、私のほかにも日本語がわからない人がいました。日本語を使うことはほとんどなく、仕事のやり方は帰国者二世配偶者の女性が通訳してくれました。

 私の住む地域は交通が不便で、車が足代わりです。車が無いと、どこにも出かけられません。来日して1年、ちょっと貯金ができましたので、日本語はまだ挨拶しかできませんでしたが、勇気を出して自動車学校に入りました。毎日残業がありましたので、夜遅くに学科試験の日本語を猛勉強しました。その結果3か月で無事免許が取れました。
来日3年目、長女出産を機に工場の仕事を辞め、育児をすることになりました。家にいる時間が多く、今なら日本語を勉強するチャンスだと思い、家族と相談して遠隔学習課程で勉強を始めました。
2番目の子が2歳半になった時、家族を支えながら仕事をやりたいと思うようになりました。家の近くの高速道路のサービスエリアで中国語が話せるスタッフを募集していることを知り、中国にいる母にこのことを話すと「あなたなら大丈夫よ、頑張って!」と励まされました。履歴書と自信を持って面接に行き、採用通知を受け取りました。

●今のお仕事について教えてください。また、大変なことは何ですか?

 サービスエリア内のショップで、レジをみながら商品の品出しをしています。レジでは小銭のおつりは自動的に出るのですが、紙幣は自分で確認してから渡さなければならないので、とても気を遣います。多く返してしまったり、逆に返し忘れてしまったりすると大変ですから。商品の賞味期限をチェックして店頭に並べる品出しの方が私は好きです。それから、中国や香港、タイ、シンガポールなどの中国語圏からのお客様に商品の説明をしたり、お金を受け渡しするときに中国語で対応したりしています。上司や同僚に恵まれてはいても、いろいろな人間関係で悩むことがあります。

●そんなとき、Aさんはどう乗り越えましたか?

 まだ乗り越えていないんです…。サービス業は笑顔が大切ですが、笑顔が出なくなりそうなときもあります。

●今回の接客コンテストで、Aさんが職場の代表として選ばれましたね。

 私が中国での学生時代にスピーチコンテストなどで入賞した経歴を知る会社の上の人の推薦です。私の日本語を心配した店長が接客の特訓をしてくれました。尊敬語や特産品についての説明を必死で覚えました。接客は一方的な説明ではなく、会話のキャッチボールが大切で、コミュニケーションの中でお客さまが喜んで買い物していただけるよう心がけました。

地区予選を経て、東京で本選が行なわれました。審査員特別賞をいただいた瞬間、夢を見ているのではないかと思い、指をつねってみると痛かったので、ああ本当なんだと実感しました。上司もとても喜んでくれました。みなさんのおかげで入賞することができ、本当に感謝しています。これからもっと日本語を勉強して日本と中国のかけ橋になりたいです。 

 周りの応援と自身の努力で入賞をつかんだAさん。悩みつつもいろいろな経験をしていく中で、しなやかな強さを身につけていくことができるのではないでしょうか。
 インタビューの最後に「社会に出ることは大切だと思います。人との交流を通して得られるものが多いですから。」と語っていたのが印象的でした。(木)