「日本語通信教育ヘルパー育成講座」(第4回) |
地域日本語教育研究会主催 日本財団協賛 郡山市国際交流協会共催 |
11月29日に大阪大学の西口先生の特別講座がありました。これについて参加した方の感想をお聞きしました。
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「一つは外国語を教えるという歴史的な経過がわかった。それから、教え方がいわゆる教授法的な生徒対先生という教え方ではないということ。学習者を支援する立場として、教えるというのではなく、友達になるということ。目標は「お互いの幸福の追求」だということ。対等な関係であるので、コミュニケーションもできるし、学習者との人間関係もうまくいく。この講座の中でもすぐ説明するのではなく、『一緒に考えましょう』というやりかたで進めていくわけだが、それがそういう生き方の形態なんだと、かみ合った。縦の流れがわかったので、今やっている分析や教え方が横の線としてつながった」
Q30:ところで、今この日本語教授法でやっていることはどうして必要なのでしょうか。
Q31:さて、先週のダイアローグの分析に移りましょう。次のダイアローグの学習の目標(これで何ができるようになるのか)と文型(目標を達成するための文の形)は何でしょうか。
A:それはいくらですか。
B:5000円です。
A:じゃ、それをください。
Q32:その他に教えなければならないものは何ですか。
ヒント:言葉の通じない国に行った時、買い物ができるために何を知っていたらいいでしょうか。
ヒント:2時間くらいでこれを教えると考えてください。ですから、あまりたくさんは教えられないということになります。
ここで、加藤さんに直説法で中国語で上記のダイアローグを教えてもらいました。ところが加藤さんが中国語で言ったことをみんなは誤解してしまいました。加藤さんが言ったのは「これはいくらですか」。みんなが思ったのは「これはペンです」でした。直説法ではちゃんと段階を踏んで教えないと、このように誤解がおきてしまうのです。
Q33:それでは、何から教えたらいいのでしょうか。もし、自分が習うとしたら何から教えてもらいたいですか。
ヒント:「100円」と「100」とどっちを先に教えますか。
Q34:一度発音しただけで覚えられるでしょうか。また、100、200、300…の発音で何か問題はありますか。
Q35:「多い」「少ない」も教えますか。
Q36:「赤いペンケース」と「赤のペンケース」の両方を教えたほうがいいでしょうか。
Q37:「いくらですか」の前に何がわかっていなければならないでしょうか。どうすれば「いくらですか」の意味がわかるのでしょうか。
Q38:前に「これ、それ、あれ」の分析をしました。自分の近くが「これ」、相手の近くが「それ」、両者から離れている場合が「あれ」でした。あなたはこれをどう教えますか。もちろん媒介語はありません。
Q36:では、来週までの宿題です。次のダイアローグの目標・文型・その他の学習項目、それから、手順(教える順番)を考えてきてください。
A:これは日本語で何ですか。
B:手帳です。
それから、来週は加藤さんに直説法で20分ぐらい中国語を教えてもらいます。
みなさん、お楽しみに!