HOME > 支援情報 > 機関紙「同声同気」 > 第34号(2005年9月22日発行)  PDFファイル
地域情報ア・ラ・カルト
 中国帰国者支援・交流センター 交流事業の紹介
 中国語の医療ネットワーク<東京>
行政・施策
 厚生労働省から
  平成17年度共同調査について
 文部科学省から
  平成17年度外国人児童生徒等日本語指導講習会について
 援護基金から
  岡村育英会も帰国者の子弟を応援
  養父母お見舞い訪中事業の拡充
教材・教育資料
 『外国人児童の「教科と日本語シリーズ」』
研修会情報
★研修会報告
 外国人教育支援 全国交流会〜中学卒業後の進路保障のために〜
★研修会情報
 2005年度の進路ガイダンス情報
とん・とんインフォメーション
 ホームページ紹介:文部科学省/三重県教育委員会
 『置き去り−サハリン残留日本女性たちの六十年』
 『樺太・シベリアに生きる−戦後60年の証言』
 『二つの国の狭間で−中国残留邦人聞き書き集 第1集−』発刊のお知らせ
 中国帰国者・支援交流センター
  @遠隔学習課程(通信教育)2006年1月より新コース開講予定
  A日本語学習 全コースの教材費 2・3世は一律1000円に!
 千葉県内の日本語教室リスト完成
 当センター ホームページ コンテンツ情報
  @大学入試情報(帰国者特別枠)
  A全国の高校入試特別措置・中学校編入関係情報
ニュース記事から 2005.5.14〜9.9
事例紹介 「帰国者ゲートボールチーム、誕生二周年!」

地域情報ア・ラ・カルト

中国帰国者支援・交流センター〈交流事業〉の紹介

 本紙23号、27号では、同センター(首都圏センター)の日本語学習支援事業《通学課程》《遠隔課程》について紹介しました。本号では同センターの《交流事業》を取り上げます。

1.《交流事業》の目標

 帰国者と地域住民との相互理解をめざした交流活動、とりわけ一世世代の孤立化対策としての地域交流の促進は大きな課題となっています。また、帰国者自身が集い、様々な活動を通して交流する場も必要です。《交流事業》は、ことばや文化・習慣の面でハンディを抱えた帰国者が、多くの人々と意思や感情を伝え合う喜びを共有し、生きる活力を得られるような「交流の場」作りをめざし、帰国者や地域支援者とのネットワーキングに努めています。

2. 三つの柱

 同センターの交流事業は、大きく三つのタイプに分けられます。

(1) センター内 交流活動

 帰国者が気軽に参加できる交流活動の種類を増やし、活動をうまく進めるノウハウを蓄えるために、センターのサロン教室を使って様々な交流活動や講座が開かれています。この活動には、@ボランティア講師の指導の下、技能を養いながら帰国者同士で交流を図る趣味講座タイプのもの〈太極拳・気功・書道・和裁* 絵手紙〉、と A帰国者と一般市民(支援者)との交流を目的とするもの〈異文化交流会・ゲートボール交流*・象棋(中国将棋)交流〉があります。

*印は現在休止中のもの

 この他にも、単発的な活動として、医師による「健康講座」、「中国帰国者の趣味作品展示会」、「盆踊り練習会」などが実施されました。
 10月からは、「社交ダンス講座」に加え、主に閉じこもりがちな帰国者を対象に月1回、中国大使館の協力を得て、「中国映画DVD鑑賞会」も開かれるとのことです。また、中国語のローマ字表記法(ピンイン)を忘れたため中日辞書が引けない一世向けに「ピンイン講座」も試行します。

※詳しくは同センターHPで
http://www.sien-center.or.jp/k_center/syutoken/index.html

(2)地域に根ざした交流活動への支援

 帰国者にとって住んでいる地域の中にこそ交流の場の誕生が待たれます。同センターでは地域の支援者が取り組む交流活動を側面から支援すべく、次のように様々な協力のあり方を模索しています。
@新潟県の地域コミュニティ「ほっとボックス」への協力(帰国者の参加を実現)
A「埼玉中国文化を学ぶ会」への協力(中国の布靴作り講習会へのノウハウ提供、帰国者との定期交流会立ち上げへの協力)
B千葉県下の小学校父母ボランティアグループ主催「帰国者講師のぎょうざ講習」への協力(企画から実施までの支援)
C静岡県のボランティアによる帰国者交流会開催への協力
D東京での帰国者ゲートボールチーム設立をめざした交流会の主催

(3)ボランティア研修会の開催

 都道府県単位でボランティア研修会「まなびや」を開催し、支援者間の情報交換や協力関係の強化につながる場作りに努めています。昨年度は福井、秋田、長野、青森の4県で開催し、今年は群馬、岩手、茨城での開催を予定しているとのことでした。
 帰国者の世代別に見える支援課題の中でも、帰国者一世については介護予防や介護支援という新たな視点が徐々に認識されてきているそうです。また高齢化する帰国者支援団体が支援の輪を次世代にどうつなげるか、組織としての課題もまったなしの状況のようです。
 全国的に交流活動への注目度が増す中、今後ますます同センターや地域支援者の取り組みに期待が寄せられます。(所沢:村山)

「中国語の医療ネットワーク」事務局発足

 本事務局は本年4月5日に5人のメンバーで発足しました。ことの発端は3月28日の朝日新聞に「中国語で安心の医療を―帰国者二世の医師らネット整備へ―」という石川宏医師の記事が掲載され、多くの問い合わせを受けたことでした。5月に開かれた3回目の会合では、ホームページを作りそこに中国語の分かる医療機関に参加して貰えるよう呼びかけようと話し合いをしましたが、その様子はNHK首都圏ニュース(5月11日)で放送されたので、ご覧になった方もおられると思います。
 そういうわけで、マスコミ報道の方が先行する形になってしまいました。現在は参加している医師数は全体でまだ25人くらいで、東京都各区に1〜2名程度、いない地区もあります。想像もしていなかったこともあり、前途多難な状況で一つ一つ解決していかねばなりません。先ずは練馬区内の整備に重点を置き、その実績とノウハウで他区に呼びかけていきたいと考えております。

「中国語の医療ネットワーク」設立趣意書※

 高齢化社会に向かう中で、帰国者の社会的待遇や老後の生活不安は益々厳しくなっている。帰国者の受診困難の問題も社会の注目するところとなってきた。こうした現状の中で、我々は「中国語の医療ネットワーク」設立を準備した。精神的負担が大きいために帰国者の罹患率は、同世代の日本人と比べてかなり高くなっている。帰国者の多くは病院に行っても言葉が思うように通じない。自分の症状や痛み、不安を医師に伝えられないし、医師の説明も完全には理解できない。薬の飲み間違えやいい加減な薬の使用が逆に病気を悪化させ、長引かせた患者も多い。手術を要するほどの重症になることもあるが、日本の病院に入院するのが嫌で中国に行って手術する人も多いようだ。多くの生活指導員や相談員はこれまでの20年間で「帰国者が安心して行ける医療機関がない」「日本の病院は信頼できない、何も説明してくれない」という訴えを何度も耳にしている。
 日本の医師資格を持つ中国から帰国した医師の中には、帰国者や在日中国人の医療に取り組むことが自らの責務だと考える医師がいる。こうした帰国者にとって心強い医師や、台湾人医師、中国語が出来る日本人医師があちこちで診療を行っている。この方たちが集まって中国語で医療のできるネットワークを作れば、帰国者や在日中国人が安心して受診できる理想的な医療環境を形成できる。そこで、中国語ができる医師20〜30人と連絡をとって相談した結果、多くの人が一緒に努力していこうと意志表明をしてくれ、次のことが実現可能となった。

  1. 中国語のできる各医師は現在勤務している医療機関で診療を実施する。ネットワークの宣伝をすることで、帰国者や在日中国人の患者達ができるだけ近く、できるだけ便利なところで中国語で受診できるようになる。
  2. 中国語のできる医師の中には各診療科の医師がいる。患者の症状に合う専門治療もでき、必要な時には患者の詳しく正しい診療情報を専門病院等に紹介し、患者と大病院の橋渡しにもなる。
  3. 医師と患者の直接対話による診療は本当の「医・患交流」になり、医療通訳の人力、費用も節約できる。2〜3年前のような中国人による無資格不法診療の防止にもつながる。

 日本の社会の中で一人でも多くの方が同ネットワーク設立の必要性と重要性を真に理解し、応援し、支援していただきたい。また、より多くの中国語の出来る医師や医療機関がこのネットワークに賛同し、協力し、参加されることを願っております。

(事務局長:内田洋一)

事務局 連絡先:〒176-0002 練馬区桜台5丁目35-15 内田方
Tel:03-5946-7920/Fax:03-5946-7921/E-mail:ucchidas@air.linkclub.or.jp

※紙数の関係で趣意書の一部を割愛させて頂きました。全文は所沢センターHP全国支援状況/マップ→東京都参照。

◆同ネットワークの中心的存在である石川医師の活動は、8月18日にNHKの深夜番組「“祖国”での安心を支えたい−中国残留孤児と医師の日々−」で紹介されました。
◆同ネットワークのHP開設の折りには、本紙あるいは当センターHPでお知らせしたいと思います。

行政・施策

★厚生労働省から

平成17年度共同調査について

 中国残留日本人孤児の肉親捜しについては、平成12年度より孤児の高齢化に伴う精神的・身体的負担の軽減や早期の帰国に応えるため、厚生労働省職員が訪中し中国政府の協力を得て現地で共同調査(訪中調査)を行う方式に改めました。
 今年度は、6月26日から約4週間にわたり黒竜江省、遼寧省、内蒙古自治区、吉林省、山東省及び北京市において3班編成による共同調査を行い、孤児申立者21人、証言者16人との面接調査を実施するとともに、継続調査(協議案件)となっていた9人について中国政府と協議を行いました。
 面接調査は省都だけではなく、高齢等のため調査会場に来ることの出来ない証言者の住所地を訪問するなど、調査の促進に努めました。
 共同調査の結果については、中国政府と正式文書を交した上で決定されますが、今年度新たに日本人孤児と確認された方々については、今後、報道機関等の協力を得て、孤児名簿を公開して肉親情報を収集するための情報公開調査を行い、希望する孤児は11月下旬から集団一時帰国として訪日し、永住帰国に向けたオリエンテーションや施設見学に参加し、肉親情報のあった孤児については、この間、肉親と思われる方と対面調査を行うこととしています。

★文部科学省から

平成17年度外国人児童生徒等日本語指導講習会について

 教員研修センター主催、文部科学省共催のもと、去る8月9日から8月12日の日程で、平成17年度外国人児童生徒等日本語指導講習会を開催しました。
 この講習会は、日本語指導を担当する教員等の中から、今後、地域における指導的立場となることが期待される教員等を対象に、その指導力の向上を図るため平成5年度から実施しており、今年度は都道府県教育委員会から推薦を受けた約90名の教員及び指導主事等が参加しました。
 今回は、より多くの先生方に有効なものになるよう、学校や地域での外国人児童生徒等の受入れ体制についてや、日本語初期指導に関する内容、JSLカリキュムについて研修を行いました。
 学校や地域の受入れについては、先進的な取り組みをしている地域から事例発表等を行っていただきました。日本語初期指導については、具体的な指導方法について講義が行われ、また、日本語による支援の方法、母語を用いた支援の方法について実践例を紹介していただきました。
 一方、JSLカリキュラムについては、JSLカリキュラムの概念に関する講義や,現場で実際に用いられたJSLカリキュラムに基づく模擬授業、更に、グループ別演習では指導案作りが行われました。
 4日間という間でしたが、内容が凝縮された研修であったと思います。参加者それぞれが、講習の成果を子どもたちへの日本語指導に還元していただくことを期待しています。

(初等中等教育国際教育課:臼田)

★援護基金から

1.岡村育英会も帰国者の子弟を応援

 本年4月に、財団法人岡村育英会より中国帰国者の子弟に対する奨学金援助の推薦枠をいただくことになりました。
 今年度は、援護基金の就学資金貸与者の中から来春卒業予定の専門学校の学生4人を岡村育英会に推薦し、決定されました。
岡村育英会の援助は、1年間の限定で年間17万円の奨学金が給付され、返還の必要はありません。

2.養父母お見舞い訪中事業の拡充

 養父母お見舞い訪中事業については、昭和62年から中国で暮らす養父母のうち、健康上の理由等で訪日できない養父母に孤児の帰国後1回に限ってお見舞い訪中の援助を行ってきたところであります。
 昨年12月にNHK総合テレビで「大地の子を育てて」と題するドキュメント番組が放送されました。同番組では、帰国孤児が中国長春の「中日友好楼」に住む病気療養の養母を訪問するも、お見舞いのための渡航費、養母の医療費の負担で困っている様子や、中日友好楼に住む養父母達の生活困窮ぶりなどが紹介されました。
 ご覧になった多くの視聴者から「生活保護を受給している世帯で、病気療養中の養父母を抱えている孤児を支援したい」という趣旨で援護基金に寄付金が寄せられたため、今年3月から生活保護受給者を対象に帰国後2回目の「養父母お見舞い訪中援助事業」を始めました。
 さらに、今年度からはその寄付金を使い終わった後も、生活保護受給の有無にかかわらず、養父母が存命している孤児の皆さんを対象に、養父母お見舞い、危篤のお見舞いや葬儀参列を支援することにいたしました。
 本事業における訪中期間は概ね2週間程度、援助費用は往復交通費、中国での滞在費、養父母へのお見舞い金等であります。その他、単独での訪中が困難な方については、引率者が同行してのグループによる訪中も検討することとしております。

お問い合わせは(財)中国残留孤児援護基金まで
電 話:03−3501−1050
FAX:03−3501−1026

教材・教育資料

『外国人児童の「教科と日本語シリーズ」』

(株)スリーエーネットワーク

・『小学校JSLカリキュラム「解説」』2005年4月発行・1575円
・『小学校「JSL算数科」の授業作り』『小学校「JSL理科」の授業作り』『小学校「JSL社会科」の授業作り』
 この3冊は2005年4月発行・各1890円
・『小学校「JSL国語科」の授業作り』は2005年10月発行予定・1890円

 このシリーズでは文部科学省のプロジェクト「学校におけるJSLカリキュラムの開発」(本紙26・28号で紹介)の成果から、〈小学校編〉の考え方と実践例を紹介しています。日本語を第二言語とする子どもたちに対してどのように授業を組み立てるか、また子どもたちがどのように活動に参加し学んでいけるかが、解説やQ&A、活動例などを通して具体的に理解できる本です。教科別の活動例では、教える人と子どもとのやりとりの例も示されており、授業の進め方がイメージしやすいものとなっています。活動例ごとのワークシート・教材例は、拡大コピーをすれば、そのまま活用できる形のものも多く、まさに実践のためのリソースが詰まった本となっています。

研修会情報

★研修会報告

外国人教育支援 全国交流会〜中学卒業後の進路保障のために〜

主催:浜松NPOネットワーク(N-pocket) http://www.n-pocket.jp/

 2005年8月6日から7日にかけて、静岡県浜松市で「外国人教育支援 全国交流会」が開催された。全国各地の進路ガイダンス主催者団体を中心に、15都道府県、30弱の団体から約90名が参加した。2日間に渡る交流会では、各地の取り組みに関する報告、「わかものたちの多文化共生全国交流会」の代表者による進路保障に向けた提言、4つの分科会、パネルディスカッション等がなされ、大変充実した2日間となった。
 筆者が参加した1日目の分科会「ガイダンスを発展させるために」では、各地のガイダンス開催関係者が集まり、ガイダンス開催の状況や高校入試特別枠の設置の有無やその実態などについて現状報告や情報交換がなされた。また、高校入学までの「進路ガイダンス」だけでなく、高校入学後に当該生徒をいかに支援するか、あるいは、高校入学以前の中学の段階で日本語や教科学習、アイデンティティにも関わる内面的な側面を支援することの重要性も改めて提起され、活発な意見交換が行われた。2日目のパネルディスカッションでは、教育行政担当者、外国人支援NPO関係者、中学生のときに来日して現在は日本企業で働く在住外国人の当事者、現場の教員がパネリストとして登壇し、それぞれの立場から、子ども達の進路保障の問題をめぐって意見発表があった。中でも、大阪府のNPOとの連携を通じて、地域ブロックごとのガイダンス開催や、多言語情報の提供、教育サポートボランティアの育成やネットワーク化を推進する「帰国・渡日児童生徒学校生活サポート事業」の報告はとても興味深かった。また、今回は、高校生あるいは高校卒業生の在住外国人当事者から、自らの体験を踏まえた発言が多数あり、彼らの視点も交えて、進路保障を考える上で地域を越えて考えていくべき課題について議論することができ、大変有意義であった。

(所沢:齋藤)

★研修会情報

2005年度の進路ガイダンス情報《9月以降の開催情報》

【東京】
10月16日(日)
《多文化共生センター・東京21 Tel・Fax03-3801-7127、tokyo@tabunka.jp》

【埼玉】
10月10日(祝)越谷市
《(財)埼玉県国際交流協会 事業課 伊藤宛 FAX 048−833-3291(電話 048−833−2992)》

【千葉】
@10月1日(土) 千葉市
A10月15日(土)船橋市
B10月16日(土) 柏市
《長澤 043-290-2568、白谷 043-424-4364》

【神奈川】
@9月23日(金) 横浜市
A10月2日(日)平塚市
B10月10日(祝)横浜市
C10月15日(土)相模原市
《多文化共生ネットワークかながわ 高橋清樹 045-942-5202》

【長野】
@9月19日(祝)伊那市
A10月9日(日)松本市
B10月16日(日)上田市
《(財)長野県国際交流推進協会 春原・片山 TEL 026-235-7186》

【三重】
@10月9日(日)伊賀市《伊賀市教育委員会 0595-22-9676》
A四日市市《詳細がわかり次第センターHP掲載予定》

【兵庫】
10月16日(日)神戸市
《兵庫日本語ボランティアネットワーク FAX 078−752−8415》

【奈良】
@9月16日(金)生駒市
A9月30日(金)北葛城郡
《奈良県外国人教育研究会 TEL 0742-62-5555/FAX 0742-62-5568》

【大阪】
三 島  開催日時は未定     《(特活)関西国際交流団体協議会 電話06-6773-0256》
豊 能 11月19日(土)豊中市    《(財)とよなか国際交流協会 電話06-6843-4343》
北河内 10月29日(土)守口市   《(財)守口市国際交流協会 電話06-6998-3310》
中河内 日程未定 八尾市
    12月4日(日)東大阪市   《東大阪市国際交流協会 電話06-4309-3155》
南河内 10月16日(日)、11月13日(日)富田林市 《河内長野市国際交流協会 電話0721-54-0002》
泉 北 11月6日(日)       《堺・バークレー協会 電話072-222-7343》
泉 南 10月30日(日)佐野高校  《(特活)泉佐野地球交流協会 電話0724-64-7201》
大阪市 10月2日(日) 東商業高校 《大阪市外国人教育研究協議会 電話06-6946-7795》

具体的な会場等、詳細情報は、当センターHPに掲載しています。
また、今後も、新たな情報が入り次第、当センターHP にて紹介していく予定です。
〈当センターHP コンテンツガイド〈進学進路支援情報〉→「高校進学ガイダンス情報」→ ◆2005各地の情報〉

*本紙33号の情報以降で開催されたところ:
【北海道】7月30日、【長野】9月11日、【東京】6月26日、7月24日、【埼玉】7月10日、7月18日、9月11日、【静岡】5月29日、【岐阜】8月28日、【大阪】7月16日、【滋賀】8月28日、【三重】7月31日、9月11日、【福岡】7月31日

とん・とん インフォメーション

◆ 09/03 「中国帰国者二世・三世の会(日中之橋)」設立総会が開かれる(東京)

同会HP〈 http://spaces.msn.com/members/8888jcbridge/

ホームページ紹介

先号(33号)に続き、外国人児童生徒の在籍する学校・保護者・支援者にとって役立つサイトを紹介します。

@文部科学省「外国人児童生徒のための就学ガイドブック」平成17年度
⇒ http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/clarinet/kiko_zi0.html
同ガイドブックは現在、7カ国語(英語、韓国・朝鮮語、ヴェトナム語、フィリピノ語、中国語、ポルトガル語、スペイン語)に翻訳され、日本の学校教育(教育制度、教育内容など)・就学手続き(役所や学校での手続きなど)・学校生活(1日の生活、1年間の行事、成績など)・教育相談(家庭訪問、保護者会、個人面談など)について解説している。詳しくは、文部科学省のホームページにて閲覧が可能。

A三重県教育委員会「保護者への連絡文書例」(ポルトガル語版)
⇒ http://www.pref.mie.jp/gakokyo/hp/bunsyorei/index.htm
「受け入れのための書類」「帰国にかかる手続き」「行事など」「成績」「保健関係書類」の5項目から構成される同ホームページは、学校からの様々な配布物(4項目、計105文書)のほか、小中学校教育課程証明書・成績証明書・卒業証明書、ブラジル領事館用公印確認申請書など帰国時の手続きに必要な書類まで、内容は多岐にわたっている。掲載文書にはすべてポルトガル語の対訳がつき、ワード形式で作成されているため、プリントの形で閲覧、印刷はもちろん加工も容易にできるようになっている。

『置き去り−サハリン残留日本女性たちの六十年』 吉武輝子著(海竜社、503頁、2500円)

『樺太(サハリン)・シベリアに生きる−戦後60年の証言』 小川よう(山央)一著(社会評論社、254頁、1800円)

 サハリンやシベリアに戦後、残留を余儀なくされた日本人の60年についてまとめた本が2冊、戦後60年の今年を期して出版されました。評論家の吉武氏による『置き去り』と、日本サハリン同胞交流協会事務局長の小川氏による『樺太・シベリアに生きる』です。
 『置き去り』は、サハリン残留邦人の女性たちに焦点をあて、彼女たちの個人史を5年の歳月をかけてまとめたものです。敗戦時、南サハリンと千島列島に住んでいた約38万人の日本人の中には、敗戦前後の困難な時期を生き抜く中で帰国の機会を逃した人たち(その多くは韓国・朝鮮やソ連の男性と結婚した女性)が数百名いました。帰還船の情報が届かなかった人、奥地から引き上げてくるのが遅かった人なども含め、彼女たちは夫や子どもを置いて日本に帰ることはできなかったのです。そして、当時の世界の冷戦構造により日本の家族との連絡もままならないまま、その多くは朝鮮人の夫からぶつけられる、日本に対する恨み憎しみに耐え、あるいは日本人であることをひた隠しにし、日本・韓国・ロシアの3つの名を持って生き抜いてきました。著者は同世代の女性としての思いを込めて彼女たちを取材しています。本書には、また、サハリン在住の朝鮮・韓国人の状況や、夫に付き従って韓国に“帰国”した日本人女性の声も取り上げられています。

 『樺太・シベリア〜』の方は、旧ソ連残留邦人に対し「1人でも多く、1日も早く」をモットーに帰国運動を行ってきた「日本サハリン同胞交流協会」の創設者である小川氏の著作です。この書は、同協会の歩みを概観するとともに、サハリンだけでなく、シベリア抑留後、帰国の希望が叶えられずに大陸に暮らした元日本軍兵士や民間人男性の悲痛な声も取り上げ、戦後の日本政府の姿勢を批判しています。

 この2冊は、サハリン残留邦人関係者にとって、また、中国残留邦人支援者にとっても、日本と周囲の国々との関係史を考える上で参考となる書と言えるでしょう。関連書として、『奇妙な時間が流れる島サハリン』※(田中水絵著、凱風社)、『サハリンの韓国人はなぜ帰れなかったのか―帰還運動にかけたある夫婦の四十年』(新井佐和子著、草思社)、『沿海州・サハリン 近い昔の話―翻弄された朝鮮人の歴史』(アナトーリー・T・クージン著、岡奈津子、田中水絵、凱風社)も挙げておきます。

(An)

※本紙19号にて紹介

『二つの国の狭間で―中国残留邦人聞き書き集 第1集―』 発刊のお知らせ

 中国帰国者支援・交流センターでは、「帰国者本人や当時の関係者から貴重な体験を聞き、資料として残していくべき」という帰国者関係団体代表や有識者による資料収集検討会の提言を受けて平成14年度に実施した8人の中国残留邦人に対する聞き取り調査を基に、聞き書き集を本年3月に発刊しました。(日本語版のみ)
 この聞き書き集をお読みになっていただければ、中国帰国者といっても一括りにはできないこと、帰国者一人一人に語り尽くせない人生があることがわかります。また、戦前の「満洲国」・満蒙開拓団の時代、敗戦と逃避行、戦後の中国での生活、そして日中国交の断絶から回復の時代を生き抜いて日本に帰ってきた人々の記憶を、その一端でも共有できるようになると思います。
 特に、戦後に生まれ帰国者に関して多くを知らない人たちにこそ勧めたい一冊です。

A4判200頁 内容:本文・解説・参考資料(用語解説、中国残留邦人に関する略史、行動経路図(別刷)
入手希望者は、下記までに連絡ください。(在庫のある限り無償で提供とのことです)

Tel: 03-5807-3171/Fax: 03-5807-3174
E-mail: info@sien-center.or.jp
〒110-0015 東京都台東区東上野1-2-13 カーニープレイス新御徒町6F
中国帰国者支援・交流センター

※なお、この聞き書き集は、平成15年度以降に実施した聞き取り調査に基づき、第2集以降についても今後順次刊行する予定とのことです。

中国帰国者支援・交流センター

@《遠隔学習課程(通信教育)》2006年1月より新コース開講予定・現在受講者募集中

新しく開講されるコースはこの2つです。
・生活場面日本語「医療」コースT・U
・続・入門日本語文法文型コースV

※《通学課程》でも、新たに「会話のための読解作文コースT・U」が10月から開講されます。
 新コースの詳しい内容及び従来の14コースについては、同センター ホームページ〈日本語学習〉のコーナー参照
⇒ http://www.sien-center.or.jp/study/index.html

問い合わせ先
TEL:03-5807-3171
FAX:03-5807-3174

A日本語学習 全コースの教材費 2・3世は一律1000円に!

昨年10月から援護基金の就学援助により、2・3世の教材費負担は大幅に減額され、多くのコースで一律1000円となっていましたが、本年10月からはさらに援助が拡大、全てのコースで自己負担額が1000円となります。

千葉県内の日本語教室リスト完成※

千葉県国際交流センターのホームページに掲載されています。
市町村/最寄駅/曜日・時間で探すことができて大変便利です。
→ http://www.mcic.or.jp/jp_school/jpsch_top.html

※『房総日本語ボランティアネットワーク通信』43号からの情報

当センター ホームページ コンテンツ情報

⇒ http://www.kikokusha-center.or.jp

@《大学入試情報(帰国者特別枠)》随時更新中

トップ画面上部〈コンテンツガイド〉「進学進路支援情報」コーナーの「中国帰国子女等特別枠のある大学のホームページ一覧」

A《全国の高校入試特別措置・中学校編入関係情報》については10月下旬掲載予定

@と同じ「進学進路支援情報」コーナーの
・「全国中国帰国生徒等の高校入試特別措置情報」
・「全国中国帰国生徒等の中学校編入関係情報」

上記項目についての各都道府県教育委員会への問い合わせ作業は現在進行中。結果は10月下旬にまとまる予定(調査項目等詳しい内容については本紙32号(8頁)で紹介しています。)

ニュース記事から

ニュース記事から 2005.05.14 〜 2005.09.09

05/14 サハリン残留邦人:一時帰国団が到着/稚内 
05/20 生きる権利奪われた 孤児5人が国に損賠提訴/宮城
05/22 日系ブラジル人の生活深刻化 政府は支援策検討会議を設置へ
05/27 中国残留邦人帰国支援「春陽会」設立者 国友忠氏22日死去
05/30 フィリピン残留邦人来日 東京家裁で国籍取得の審判
06/18 山形県在住残留孤児の原告34人が国に賠償求め提訴
06/20 残留孤児訴訟:地裁に提訴の原告ら 支援求め街頭活動/鹿児島
06/21 中国残留孤児・関係者ら150人理解求めデモ行進/長野
06/28 文科省「不就学外国人児童生徒支援事業」12地域に実施委嘱決定
07/06 大阪地裁で初の判決:中国残留孤児32人の請求認めず
07/06 全国15地裁で係争中の原告団と弁護団代表 厚労省に全面解決を求める文書提出
07/07 老後保障する立法を:残留孤児が東京・永田町で集会
07/15 福岡:中国孤児訴訟 新たに27人3次提訴へ
07/20 与党 高齢化の中国残留孤児の支援拡充検討 2006年度予算で実現を目指す
07/20 超党派の議員連盟(約60人)「中国残留孤児を支援する国会議員の会」発足
07/20 臨時国会で新支援策の議員立法成立を目指す方針を確認
07/23 東京:鈴木賢士写真展「中国残留孤児のいま」
07/23 NPOによる東京23区の外国籍子供調査:母親4人に1人日本語読めず・小中就学4割
07/28 中国残留孤児訴訟:26日、6日に棄却の判決を受けた32人を除く原告112人の弁護側が意見陳述/大阪
08/04 司法・医療通訳向上目指し9月に学会発足
09/05 中国語でも広報して:残留孤児 衆院選前に各地選管に要請/高知・福岡・大阪等

事例紹介

帰国者ゲートボールチーム、誕生二周年!

 地域で孤立しがちな帰国者一世世代に思いがけず生活の転機が訪れた。機会を捉え一歩を踏み出す、その一歩がより充実した生活への転機となったこの事例に見えるのは、皆をまとめひっぱっていった帰国者仲間と支援者の姿だ。

 首都圏センター(中国帰国者支援・交流センター)が、ゲートボール愛好者の全国的な連合と地元の組織の協力を得てゲートボール体験講座を開いたのは二年前だった。参加者はほとんどが一世世代で、帰国婦人Aさんの通訳協力もあり、ゲートボールは初めてながら久々のスポーツを皆大いに楽しんだ。それを見て連合の関係者も心動かされ、自主サークルを作るなら支援をしようと申し出てくれた。ところが、一世はゲートボールはやりたいがサークル運営までは…と二の足を踏む。それを見て、「それなら私が」と唯一の二世参加者だったBさんがまとめ役を買って出た。こうして一世十二名とBさんの帰国者ゲートボールサークル「迎春花」が生まれた。
 地元のゲートボール連盟会員のCさんは、連盟理事長Dさんからの要請を受け、ずっと日中友好に貢献したいとの願いを持っていたこともあって、八十路の高齢をおして「迎春花」の支援に携わることを決意する。
 この頃のことをBさんは次のように語っている。「日曜日や雨の日を除いて毎日午前八時半から十一時まで河川敷で練習するようになったのですが、Cさんの指導のお陰で皆比較的進歩が速く、チーム誕生後わずか十日目で地区の試合に参加することになりました。とはいえ、技術もなく、言葉も通じない私達を試合に出そうというのは容易なことではなかったと思います。普段の練習時の私達の真剣さを見て協会の方々も心を動かして下さったのかもしれません。」
 Cさんはメンバーと深く付き合おうと、たびたび練習後のお茶や食事に彼らを誘うが、日本流の礼儀を知る帰国者はなかなか誘いに乗ってこない。Cさんにとってはどうすれば気持ちが通じるのかという悩みの日々であった。しかし、両者の関係も月日を重ねるごとに徐々にほぐれていき、Cさんも帰国者メンバーの示す素朴な親切心に感動させられる場面に何度も遭遇する。
 Cさんは地域で行われる練習活動にもBさんたちを連れて行く。そこでのひとときはBさんたちにとって「まるで家族と一緒に過ごすかのよう」だという。「Cさんが不在の日は、他の日本人メンバーが自発的に私達を練習に誘ってくれます。私たちは一緒に練習し、休憩時間にはお茶を飲んだりお菓子を食べたり、ゲートボールの技について語り合うなどします。日本語の会話が完全に聞き取れるわけではありませんが、ジェスチャーや動作を使えばお互いの間で言いたいことはわかります。ここではみんな愉快な気分で、病気の症状も軽減し痛みも減りました。人間も若返りました!」とBさんは語る。
 そんな練習の日々を経て、「迎春花」チームは遂に今春の地域リーグ戦で十チーム中第四位入賞を果たしたのだった。これを機にCさんは一旦指導者の立場を退くこととし、いずれ試合で対戦する日を楽しみにしながらの別れとなった。
 二周年を迎えた今年の夏に、チームは大手新聞社記者の取材を受けた。このとき撮ってもらった記念写真には、嬉しそうなBさん、そしてチームの面々の笑顔が写っている。

(所沢:平安)