[kodomo-ml 4]センターの子どもクラス@
 こんにちは、所沢センターの池上です。
 所沢センターでは、国費帰国者の家族を受け入れて、4ヶ月の初期集中適応指導を行っています。家族で来日しますから、当然、学齢の小中学生も研修生になります。今期54期(97.10〜98.1)は137名、研修棟で研修を受ける学習者はそのうち112名です。この112名は12クラスに分けられました。小学生は低学年クラスと中高学年クラスの2クラス、そして中学生クラスは1クラスです。
 今日は、低学年クラスのエピソードをご紹介します。低学年クラスはPクラスという名付けがあり、6才が2人と5才7才の全部で4人です。研修は現在6週目ですが、授業日数で数えると23日目といったところです。センターにも慣れてきて、うるさいかぎりです。
 私は昨日Pクラスで音楽の授業を担当しました。「大きな栗の木の下で」を歌って踊ってカスタネット演奏をしました。これは復習なので、ひとりずつでもできました。まだ3回目なのになんで歌詞を覚えていられるの〜。「かえるのうた」は初回ですが、テープを聞かせると音楽の教科書を指で押さえつつ、歌詞を読んでいきます。偉いもんだ。さんざん歌ったあとで、「『かえる』って何?(中国語)」と尋ねると「わかんない(中国語)」と答えられて、ちょっと悲しかった。教科書のイラストを指して、「これが、かえる」と言ったら「??」という反応でした。
 その日本の教科書のイラストが、Pクラスのちびたちにとっては、デフォルメされすぎていたせいでした。蛙だとわからなかったのです。確かにケロケロケロッピのようなかわいい漫画でした。実物を見たことがないというわけではないのです。そのうち7才の子が「先生、『かえる』って『青蛙』でしょ(中国語)」とわかって、やっと次の「かえるのうたに合わせてお遊戯しよう」に進めました。
 記号を読み解くことは、難しい。ちびたちはまだ5〜7年しか生きていませんが、その間に浴びている情報には日本という環境で生きてきた子どもたちとは、違いがあります。Pクラスのちびたちは2月には小学校に編入します。いろいろな違いと新しい体験をうまく積み上げていってほしいものです。    ★池上摩希子



[kodomo-ml 12] 理科の対訳集
 こんにちは、所沢センターの池上です。
今日、大阪の府外教から、「中国から来た子どもたちの中学理科」を送っていただきました。1分野と2分野の2冊でそれぞれに1〜3年の内容が含まれています。練習問題と解答もついています。
 所沢センターでは、ニューズレターとホームページで紹介させていただくつもりです。そして、著作権の問題がクリアできれば、ダウンロード可能なようにしたいと思っています。この教材の作成には、東楠根小学校の大上忠幸先生もかかわっていらっしゃいます(MLのメンバーです)。直接、問い合わせをして、実費を支払えばコピーが入手できるそうです。電話番号は
◎大阪府在日外国人教育研究協議会 0729-94-5634
 こちらでは社会科の用語対訳集を、また、市外教では英語の対訳集を出しています。すごいです!もっとこうしたものがどんどん出来上がるのも私たちの願いですが、流通がスムースになることも必要ですね。ネットワーク、というからには、この課題、避けて通れませんね。    ★池上摩希子


[kodomo-ml 23]はじめくんとまりちゃん
 こんにちは、所沢センターの池上です。
 大宮市教育研究所によって作成された教材「はじめくんとまりちゃんのにほんごきょうしつ2」を12月5日に所沢センターのホームページにアップロードしました。昨年度、同研究所から発行された教材「はじめくんとまりちゃんのにほんごきょうし
つ」の続編にあたります。作成にあたっては、大宮市の小中学校の先生や日本語指導の先生方がかかわっていらっしゃいます。
 ダウンロードも可能ですが、イラストが豊富な分、多少重くなっています。その点ご承知おきください。ダウンロードしなくてもHTMLでちょっと見てみるだけ、というのもできます。一度ご覧になってください。
 この教材は児童に適した場面で文型練習ができるように工夫されています。続編、ということで、始めたばかりの児童用というより、少しは指導を受けた児童用と言えるでしょう。「はじめくんとまりちゃん」という名前は、実際に作成にあたった先生のお話によると、「はじ+まり=始まり」という意味を持たせたんだそうです。こうした実践から、いろんなことが始まるといいですね。 ★池上摩希子


[kodomo-ml 59] まとめてお返事

 こんにちは、所沢センターの池上です。いくつかあったお問い合わせに、まとめてお返事いたします。
 梁島さんへ。東京都のセミナーは2/13(金)と 2/14(土)の二日間です。
三角さんへ。バイリンガル研究会の発表者その他の詳細は今週中に私の手元に届くということでしたが、16日金曜現在、まだ届いていませんので、届き次第、流します。
野崎さんへ。バイリンガル研究会の主催者は大学入試センター研究開発部の小野博先生で、連絡先は以下のとおりです。
☆〒153 東京都目黒区駒場2-19-23/ 03-3468-3311(ex.1286)/Fax 03-5478-1297

 いやぁ、関東地方は雪で大騒ぎでしたね。実は私は雪国育ちなので、わりとへらへら過ごしました。といいつつ、テレビの「大雪情報」とやらはしっかり見るんですよね、同じニュースばっかりなんですけど。これはいったいどういう心理でしょう。所沢センターの学生も今日は欠席が多いです。ちびっ子Pクラス(6才中心)は4人ともお休みです。親が心配して休ませたのかもしれません。
 関口先生、高橋先生、ご無沙汰しています。2月のミーティングでは、またよろしくお願いします。
 高校生になった子どもたちの、まさに今ある状態(言語面・心理面の)、きっと実態調査が必要なんだと思います。高校現場の先生方の意見、例えば、
>「日本の子どもができないから彼らの言葉や学力はさして問題にならない」
というような意見に対して、その言葉や学力がどういう状態で、なぜそうなのかを説明できないと問題がそのままになってしまう…と危惧します。私なんぞにとっては過大な課題ですが、なんとかしたいなぁと思います。そして、前にも述べましたが、これは高校生だけの問題ではなく、子どもたちが「小→中→高」と日本の学校で過ごすうちに蓄積されてしまう構造的な問題のように思えます。
                                                                   ★池上摩希子


[kodomo-ml 213] 教えてください

 こんにちは、所沢センターの池上です。いきなりですが、どなたか

◎学芸大式GMI調査(別名「やる気調査」)

というモノについて、ご存知の方、いらっしゃったら、教えてください。又聞きなので、名称もテキトーかもしれませんが…。
 さて、大上さん、お忙しそうですね。アドレスの件、手続きしました。上記のモノについて、「学芸大式」とあるので、学芸大所属の大上さんにちょっと期待してます。←さりげなくプレッシャーかけたりして。
 では、また。  ★池上摩希子


[kodomo-ml 1208] 教材情報

 子どもメールのみなさま(教材情報)

 とよなか国際交流協会(大阪府豊中市)の中津です。
直接、間接にお世話になりましてありがとうございます。
 以下2件、国際理解教育のための教材情報です。
これらは、当協会事業「子どもメイト」に参加している子どもたち、ボランティア、
子ども担当相談員の協力のもと作成されました。なかでも山田先生、鍛治さん、張さん
にはとくにお世話になりました。
 池上さん、長らくお待たせいたしました。またあらためてご連絡させていただきますが、
いろいろとありがとうございました。
 転載可です。よろしくお願いいたします。

………ここから
★子どもたちがつくり、伝える「中国」・
 「チェンズであそぼう!」
    
チェンズは、中国の子どもたちにはなじみの深い遊びのひとつです。
中国出身の子ども担当相談員が、チェンズについての簡単な解説書をつくり、 
中国出身の渡日の子どもたちが、中国語やいろいろなことを思い出しながら、
それを日本語に翻訳しました。チェンズ30個をセットにして希望する団体に貸し出します。
身近な中国出身の友人に「先生」になってもらって、チェンズであそぼう!

★子どもたちがつくり、伝える「中国」・
  wo de gu xiang
「我 的 故 郷 〜 ぼくのふるさと」
 中国帰国者定着促進センター(埼玉県所沢市)では、1996年度から3年間、文化庁文化部国語科の委嘱を受け、
「中国帰国者に対する日本語通信教育(試行)調査研究部会」による取り組みを行ってきました。
その一環として、中国帰国者の子どもたち自身が、日本人・日本社会側に自分たちの文化を発信していくための
教材作成を試行し、その過程を通じての教育的意義を検討することになりました。
この「部会」の要請を受け、当協会事業「子どもメイト」では、1998年秋から、中国帰国者の子どもたちや
ボランティア、子ども担当相談員、担当職員によるプロジェクト・チームを作り、中国紹介の教材を作成作業
を続けてきました。
 このたび、その成果として、中国・黒竜江省のハルピン市を紹介するスライド教材が完成しました。
その過程で、子どもたちは、自分たちの郷里と文化に誇りを持ち、それを紹介する意義を自覚しました。  
とかく、異文化を持った子どもたちが、日本文化に「同化」することが求められる中で、子どもたちは、
二つの文化を持つことの意義を自覚したと思われます。
今後、同様の取組みを、中国帰国者以外の多くの異文化を持った子どもたちにも期待する意味から、
本教材が広く活用されることを願い、一般に活用いただければ幸いと思います。       

 □ 申し込み方法 
 ■貸出受付:利用月の3カ月前の毎月2日から電話で受け付けます。
 ■貸出期間:往復の郵送にかかる日数を含め最長2週間。
 ■貸出費用:教材をお送りした時に同封する郵便振込用紙で、貸出料500円
       (チェンズ30個、スライド教材1セットともそれぞれ)と送料
        を送金してください。
       万一、破損した場合は、後日実費を負担していただきます。
 ■詳細・問合せ:(財)とよなか国際交流協会・子どもメイト 担当:中津
         大阪府豊中市北桜塚3-1-28 月曜休館 TEL 06-6843-4343

[kodomo-ml 1421] RE:1416 (…略…) さっそくですが、 >A県には今のところ「学校の日本語の先生」という採用枠はないとのこと・・・。 >このことに関して、他県ではどのような状況なのか情報を集めたいと思っております。 とのことでした。子どもメールで3年ほどみなさんとやりとりをした結果、私が把握 できていることをご紹介します。  ここでおっしゃっている、 >「学校の日本語の先生」 というのが、正規の教員だとしたら、まず、現在の学校教育の枠組みでは、言い換え れば、学校教育法の適用範囲では、公教育(小・中・高校など)で日本語を教えたい と思っている方が直にそのポストに付ける方法はないと言ってよいと思われます。そ れは、「日本語教育」が正規の科目ではなく、「日本語科」の教員免許がないことが 理由にあげられます。  現状では、大ざっぱに言うと 1.正規の教員で日本語指導の経験や興味や熱意がある方が支援している 2.「加配」という形で1.のような方かもしくはそうでない方が支援している 3.正規の教員ではなく、非常勤講師や教委派遣の指導協力者が支援している 4.ボランティアが支援している というケースがあります。1.のような方は少なくないのですが、希望してもそのポ ストにつけるとは限らず、また、異動があるとせっかくのノウハウが蓄積されにくい という難点があります。2.の場合も同様ですが、加えて興味がない方が「受け持た されて」しまうと、ご本人も子どもも大変なようです(担当したことがきっかけで興 味関心が喚起されたいうこともあるようで、それはそれで良いことですよね)。3. 4.のケースは全国的に多く、みなさん大変重要なお仕事をなさっていながら、いか んせん立場や待遇が脆弱で、それぞれに奮闘中と言えるでしょう。  正規教員としては1.2.、それ以外では3.4.、どちらも「この資格があれば なれる」というものではありません。実際に支援している方のお話では、特に2. 3.の場合、子どもの母語ができるということが重要なポイントになる場合がありま すが。 また、国レベルの施策も実施は自治体レベルですから、どのような対応がな されているかは地域により学校により異なります。公教育の現場より範囲を広げると すれば、インターナショナルスクールや私立でイマージョンをやっているようなとこ ろ等が考えられるでしょうが、数は多くありません。  実は、長々と書いているのには理由があって、「どうすれば子どもたちに日本語を 教える仕事につけますか」といったご質問を受けることがときどきあるからなので す。このようにご紹介していくと、なんだか八方ふさがりにも見えますが、子どもた ちに対する支援はいろいろな立場からなされるのがいいと私は思っていますので、 「どうすればなれるのかな」と思っている方は、ご自身の諸条件を考慮した上で、で きるところから始めてくださいというようなお答えをしています。  さて、あとはMLのメンバーのみなさんに、コメントや訂正をお願いするとして、 今日はここまでです。では、また。  ★池上摩希子
[kodomo-ml 1596] ポルトガル語書籍 みなさん、こんにちは。大阪の玉城です。 今、ブラジルから来た子どもたちの日本語指導をしているのですが、 だんだん母語であるポルトガル語が怪しくなってきました。 学校以外ではほとんど日本語を使わないようなのですが、 年少時にはあまり使うことのなかった抽象的な言葉は全くといっていいほどわか らないし、書く機会がないため、スペルがわからないようです。 聞けば、家にはポルトガル語の本が全くないとの事。 (CSのブラジル放送は見ています) 日本語もまだ充分ではなく、母語でもなんというかわからなくて自分の気持ちや 思っていることを伝えられず、イラついているのがわかります。
ポルトガル語の簡単な読み物や教科書を扱っている書店等をご存知でしたら教えてください。
定住の予定ではないので、一番恐れていたこのような状態になると日本語を教えるのもつらくなります。 **************************************** 玉城美佳 Tamaki Mika ****************************************
[kodomo-ml 1597] Re: [kodomo-ml 1596] ポルトガル語書籍 スリーエーネットワークの菊川です。 ポルトガル語書籍を扱う書店の質問を拝見しました。東京の千代田区に
イタリア書房 電話 03-3262-1656  ファックス 03-3234-6469
という書店があります。「イタリア」書房ですが、ポルトガル語他の書籍もあり、児童書も扱っているそうです。 宅配のサービス(有料)もありますので、一度お聞きになってはいかがでしょうか。 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ スリーエーネットワーク 編集部 菊川綾子 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
[kodomo-ml 1597] Re: [kodomo-ml 1598] ポルトガル語書籍 玉城さま こんにちは。横浜・鶴見の富本といいます。 鶴見には南米出身者が多く住んでいて、地域住民・子ども・保護者・教員の ネットワークを目指してIAPEというグループで活動しています。 IAPEでは、毎週土曜日にポルトガル語とスペイン語の母語教室をおこなっています。 ブラジル関連の本ですが、IAPEは2年ほど前、ブラジル大使館から教科書や子どもの本2箱を寄贈されました。 大使夫人のEdileuza Reisさんが、子どもの教育に個人的にも関心があるということで そのころ、色々な学校などに寄贈を行っていたようです。現在の状況は不明ですが。 それから、在日ブラジル人向け通信教育(15歳以上対象)を行っているCETEBANで、 Mutidao da Educacaoという、子ども(主に小学生)がポルトガル語の読み書きを覚えるキットを販売しています。 子ども用の教科書と大人の教本(日本語・ポル語)がセットになって、20,000円くらいで販売してます。
CETEBANの連絡先は、TEL/FAX 03-5389-6963です。
それから、ブラジル人御用達のRIO FASHIONが、インターネットショッピングで本も販売しています。
www.riofasion.com
で、本だけでなく、CDや洋服、香水なども売っています。 ポルトガル語での情報だけですが、宅急便で届けてくれるので、 ブラジルのお店がない地域の人には便利です。 さて、IAPEの教室には、スタッフ・保護者がブラジルに行った際に購入したりした書籍もありますが、 授業では、先生手作りの教材を使うことが多いです。 日本で過ごした時期の方が長い子どもたち(小学生)が多く、読み書きよりは、母語に触れる機会づくり、 という側面が強いので。 先生はお母さんであるボランティアの女性が担当していますが ネイティブスピーカーであるお母さんたちの積極的な参加もあります。 月に一回は「お母さんの日」を設けて、お母さんたちが交代で読み聞かせや料理教室を行っています。 仕事が忙しく、時間がない保護者が多く、子どもたちも家では、ポル語を勉強するのを嫌がる傾向があるので、 母語教室は、ブラジルにルーツを持つ子どもたちが集まって週に1回一緒に勉強する場となっています。 〜.〜.〜.〜.〜.〜.〜.〜.〜.〜.〜.〜. 富本潤子 TOMIMOTO, Junko IAPE(外国人児童生徒保護者交流会) (職場)(財)神奈川県国際交流協会 〜.〜.〜.〜.〜.〜.〜.〜.〜.〜.〜.〜.
[kodomo-ml 1599] 情報ありがとう! 菊川さん、富本さん、情報をありがとうございました。早速、問い合わせてみます。 私の住んでいる市には、とっかえひっかえ3名ほどしかブラジルの子どもがいません。 他の国もそれぞれ一人、二人で、しかも学校はバラバラです。 もう少し人数があると(せめて同じ学校に何人かいると)市としても対応しやす くなると、教育委員会の方もおっしゃっていました。 学校や日本での生活への不適応や、親の仕事上の問題などで短いときは1ヶ月で 他市へ転出したり帰国したりします。学校にも何の連絡もせず、無断欠席が続く ので家まで訪ねていくと引っ越していていなかった、という場合もあります。 その点でも、市や学校の対応を難しくしているようです。 引っ越して空きがでたその同じ部屋に別な人(たいていがおなじ国の人)が入る ので、また子どもが編入するのですが、「どうせ、またすぐにいなくなるんだろう」と考える方が多いからです。 ですから、今いる子どもたちもいつまで一緒にいられるかわかりませんが、 私なりに誠意を持って接してあげたいと思っています。 **************************************** 玉城美佳 Tamaki Mika ****************************************

[kodomo-ml 1599] RE:1717/ブラジル国からの…

ブラジルの○○さんへ
 こんにちは、所沢センターの池上です。メール交換の企画について、質問させてください。
ブラジルの日系日本語学校で、子どもたちに日本語学習への動機づけをするのが大変だという
事情、なるほどそうなのか、と思いました。それで、
> 日系三世/四世児童が、日本語ネイティブの児童と「日本語を通じて一対一で向き
>合う人間関係」を構築することができれば、日本語学習を促す「小さな」動機にはな
>り得るのではないか? という祈るような期待を込めての試みです。
と松本さんが思われるとき、相手は「日本語ネイティブ」でないとダメなんでしょうか。
という私が頭に思い描いているのは中国帰国者の三世、つまり所沢センターで学習中の
子どもたちのことです。
 現在、所沢センターで研修を受けているのは6月中旬に来日し、10月のはじめに日本
の学校に編入される子どもたちです。「日本語ネイティブ」ではありませんが、同じ
「日本語学習者」であること、また、異なる事情で家族に日本人がいることは動機には
つながりにくいでしょうか。どうしてそれぞれがそれぞれの事情でブラジルや日本で
日本語を勉強しているのか、情報交換のようなことができたらおもしろいなあと勝手に
思っています。
 ただ、もし○○さんがネイティブでなくても可とおっしゃってくださっても、所沢
センターの子どもたちの日本語のレベルは高くないですから、メールでできるのは簡
単な自己紹介や短い質問文のやりとり程度、それも研修の半ば以降(9月位?)にな
ることでしょう。メール交換も頻繁にはできないかもしれません。このように、全然
条件が良くないのですが、それでも試みてみようとなれば、お知らせください。ちな
みに、今いる子どもたち(中学生クラス)は5人で、13才が3人と15才、16才です。
 では、取り急ぎ、失礼します。  ★池上摩希子

[kodomo-ml 1599] 津田塾大学シンポジウム

みなさんへ
 こんにちは、所沢センターの池上です。
津田塾大でシンポジウムがありますので、お知らせ&お誘いいたします。
日本語教育学会の秋季大会の直後だし、連休中だし、参加者は少ないかなあ。
子どもメールのみなさんにはよろしかったら、午後の分科会の2にいらしていただき
たいなあと思っています。日本で「初等教育としての言語教育」といったとき、まあ
英語もそうなんだけど、子どもたちへの日本語教育+αもね、というようなことをめ
ぐって、話し合いができないかと思っていますので。
 蛇足です。津田の周りはとっても環境がよいので、昼食は持参の方が便利かと…
最寄り駅まで出ないとお店が発見できません。では、よろしくお願いします。
★池上摩希子

◆津田塾大学創立100周年記念 言語文化研究所主催シンポジウム◆

21世紀の言語教育を考える− 多様化する社会と言語教育 −

日時:2000年10月9日(月)(祝日)   10時〜15時30分
場所:津田塾大学  5号館(AVセンタ−)  参加費:無料

9:30 〜 10:00     受付
10:00 〜 10:15     開会の辞    飯野正子(津田塾大学)
                     挨拶        井上和子(神田外語大学大学院)
10:15 〜 11:30     パネルディスカッション「英語教育の実践をふまえて」
                      天滿美智子(津田塾大学前学長)
                      古川法子 (文教大学付属中学高等学校)
                      村杉恵子 (南山大学)
                      釣 友香 (東京女学館中学高等学校)
11:30 〜 12:30     講演「多様化する日本語教育」
                      J. V. ネウストプニ−(桜美林大学大学院)
12:30 〜 13:30     休憩
13:30 〜 15:30     ラウンドテーブル(分科会)
   1.コミュニケーション教育と言語教育
          司会:中西雅之(津田塾大学)     話題提供者:岡部朗一(南山大学)
   2.初等教育における言語教育
           司会:池上摩希子(中国帰国者定着促進センター)
     話題提供者:山本麻子(レディング大学)
   3.「世界共通語としての英語」と言語教育
           司会:田近裕子(津田塾大学)     話題提供者:平高史也(慶応大学)
   4.多文化共生と言語教育
           司会:春原憲一郎(海外技術者研修協会)  話題提供者:近藤博徳(弁護士)
   5.インターネットと言語教育
           司会:成田真澄(リコ−(株))   話題提供者:朝尾幸次郎(東海大学)
16:00 〜 18:00     懇親会(大学ホ−ル)    会費1000円
問い合わせ先
      (9月17日まで)津田塾大学100周年記念事業事務局
                      〒187-8577東京都小平市津田町2−1−1
                      TEL:042-342-5146    E-mail:homecom@tsuda.ac.jp
      (9月18日以降)津田塾大学言語文化研究所
                      TEL/FAX:042-342-5153   E-mail:homecom@tsuda.ac.jp

[kodomo-ml 1599] 津田シンポ報告

みなさまへ
 こんにちは、所沢センターの池上です。
NO.1823でお知らせした、津田塾大学でのシンポジウムですが、なんとか終わりました。
私は第二分科会の司会を仰せつかったので、そのことを報告をいたします。「子どもメール」
のメンバーのみなさんも何人かいらしてくださったようで、ありがとうございました。
 さて、第二分科会では「初等教育における言語教育」というテーマで、話題提供者に
山本麻子先生(レディング大学)をお迎えして話し合いをしたのですが、やはりテーマが
大きくて2時間ではなかなか話が深まらなかったように思います。もう少し絞り込めれば、
との感が残りました(といいつつ、司会者は私。すいません)。

  【中略】

 ここで、シンポに出席できなかった方にも事情が伝わるように、イギリスのバイリンガル
教育について、ちょっと補足を。

・60年代や70年代の始めは同化主義の時代で、取り出しクラス等でESLの特別授業をしていた。
・その目的は「英国式」に適応するため、とされていた。
  →マイノリティ言語は英語習得の妨げになるとされた。
・70年代半ばから、いわゆる多元主義(pluralism)の考え方が出てきた。
・学校カリキュラムにマイノリティ言語を組み込もうという議論や、コミュニティで
開くクラスに公的補助をという動きも出てきた。
  →マイノリティ言語は教育的リソースになるとされた。
・取り出し授業から language support service に移行
(スタッフが学校を訪問し、通訳や翻訳をしたり教員と協同したりするもの)。
・80年代半ば以降から、マイノリティ児童への対策をより学校ベースのものとした。
・しかし、予算削減で人員が減らされた。
・1988年のNational Curriculum開発以来、マイノリティ言語や方言が「封じ込め」に。
・〜1990年代、bilingual support やコミュニティでのマイノリティ言語教授への関心が
高まってきたが本質的な議論は少ない。
・bilingual support のスタッフの地位は高くないし、トレーニングも不足している。
教室ベースの研究もあまりないのが現状。
−−−−−
 以上は、山本先生のお話だけでなく私が読んだものからも付け足しをしてあります。
教育観の変化や政策の変化に伴って、対応が変わってきている様子がわかります。
分科会でも話題になった、取り出し授業をやめてクラスに入れてサポートをつける、
というのは、85年に出たThe Swann Reportが元になっています。「取り出しは結果
として、差別。子どもの言語発達は友だちとのインタラクションの中でも起こる」
ということですが、このレポートは多元主義(pluralism)自体は支持していても、バ
イリンガル教育については、例えば子どもの母語を媒介語として授業をするとか、母
語維持のプログラムを作るとかいった考え方は表していないようです。分科会で出た
「取り出しではなくクラスで、これを支持できる調査結果」というのは、言語寄りの
ものではないのかもしれません。←未確認
 上記を見ていくと、日本の現状とからめて、もう少しお話が深められたのではないか、
と今更のように思います。なお、教室ベースの研究では、現状では、バイリンガル教室
での談話を分析するようなエスノグラフィックな研究が進められているようです。
 報告というより補足に近いものとなってしまいました。司会をしていたので、意見を
書きづらいということもあります。参加してくださった方のご意見ご感想をお待ちして
います。では、ちょっと中途半端ですが、今日はここまでです。 
    ★池上摩希子
−−−−−
<後日、補足として別メールでMLに流した文献>

> 私が読んだものからも付け足しを
と言ったものの文献名を以下にご紹介しますので、ご興味のある方どうぞ読んでみてください。
◎Tollefson,J.W.(1991) Mother-tongue maintenance and second language learning. 
In Planning language, planning inequality(pp.43-79). Longman.
◎Martin-Jones,m.& Saxena,m.(1995) Supporting or containing bilingualism? 
In Tollefson,J.W., Power and Inequality in Langugage Education(pp.73-90). Cambridge Univ Pr.

[kodomo-ml 1668]お礼とHP更新のお知らせ 子どもメールの皆さま お元気でいらっしゃいますか。 HP『人形で教える日本語』の荻野誠人です。 ようやく2回目の投稿です。子どもメールにお 加え頂いて、ほぼ2か月経ちました。特殊な テーマのHPにも関わらず予想を越える反響 を頂き、大変ありがたく思っております。参加 させて頂きよかったと実感しております。池上 先生をはじめ関係者の皆さまにお礼を申し上げます。 頂いたメールの中には「早く新作を出せ」とい う嬉しいご要望もあったのですが、何しろHP 開設で、ない智恵を絞ったために「出がらし」 状態に陥り、追加のめどがたちませんでした。 先日やっと新しい作品を掲載することが出来ま した。人形で教える「これは何ですか」です。 他愛のないものですが、よろしければまたお出 でください。ご覧になるのに5分もかかりません。 URLは次の通りです。 http://www4.justnet.ne.jp/~kugutsu/ トップページの「更新記録と日誌」から お入りくださると「これは何ですか」という 項目が一番上にありますので、そこからお入り 下さい。ご意見ご感想など頂ければ幸いです。 また、このMLの趣旨からは外れますが、平均 年齢50歳代のクラスで人形劇をやって大いに 笑いをとった方のご投稿も先日掲載しました。 こちらは「更新記録と日誌」の二番目にあります。 やはりごく短いものです。 余り皆さまのお役に立てず、次回いつ投稿出来るか も分かりませんが、このMLの宣伝だけは続けていく つもりです。何とぞよろしくお願いします。それではまた。お元気で。 6/24 "・。*"・。*"・。*"・。*"・。*"・。*"・。*"・。*"・。*"・ ■荻野誠人(おぎのまこと) ■『心の風景』   URL: http://www.bekkoame.ne.jp/i/gb3820/ ■『人形で教える日本語』   URL: http://www4.justnet.ne.jp/~kugutsu/ ■Email: gb3820@i.bekkoame.ne.jp "・。*"・。*"・。*"・。*"・。*"・。*"・。*"・。*"・。*"・
[kodomo-ml 1946] RE:[kodomo-ml 1941]編入学年について質問 ○○さん、みなさん  所沢センターの池上です。編入学年についてですが、まず、文部省の「原則」は、 ○○さんのおっしゃるように ◎年齢に応じ、相当学年に編入させる となっていますが、但し、と言って ◎特に言葉が不自由である等の事情により、直ちに相当学年の課程における教育を受 けるのが適切でないと認められるときは、一時的に適宜下学年で授業を受けさせることもできる となっています。地域によっては「但し」を適用しているところはたくさんあります。 子どもの編入学年はその子により、また、その現場の事情(どんな支援が可能か等)により、 柔軟に決定されるべきだと思っています。  問題は、各地の教育(行政)現場での実施の実態が、地域によって異なることです。 同じ県下でも市によって違うこともあります(小中は市町村教委が管轄なので)。 また、反対に「県の通達だから」と県の決定に一律に従う地域もあります。←何県かここで言っていいのかな?  どの県、どの市はどうなっているかという一覧表のようなものは、どこかにあるのでしょうか。 たぶんないと思うのですが…。←これを作って公表してしまえば、何かいいことがあるでしょうか、 それともその逆? 当センターでは、毎期、日本各地の小中学校に子どもたちを送り出していて、 その簡単な追跡調査の結果を事例報告として「紀要」8号に出してあります。 具体的な地域名は伏せてありますが、 地域によって対応が異なるということはわかると思われます(「紀要」はホームページからダウンロードできます)。  最後にひとつ質問です。○○さんのメールからは、**で提言書を出した動きに連 動させて**の実態をよくしていくために編入学年情報が必要なんだろうと思いまし たが、私の解釈で合っていますか?  時間がないので、ここまでです。△△さんからの情報にも一言…言いたい。 でも時間がないので、また次にします。ではでは。   ★池上摩希子
[kodomo-ml 2026] 過去メールのタイトル一覧 みなさま  こんにちは、所沢センターの池上です。 新しい名簿の配布を始めてほぼ一週間経ち、今日までに36人の方にお送りできました。 申し込みのメールでは、何人もの方からご挨拶や近況報告をいただきました。 個別にお返事できなくてすいません、ここでのお礼で換えさせてください、ありがとうございました。  さて、過去ログの扱いで、ひとつご報告です。 特に途中から参加された方は「ようこそメール」でご案内している「過去ログの取り寄せ方」では、 なかなか対処できないと思います(だって、2000以上もあるんですもんね)。 そこで、試みにですが、当センターホームページの「子どもメール」コーナーの 「ちょっと過去メールが見てみたいんだけど…」のところに、メールのタイトルを 一部紹介しました(NO.1901〜1960/1999年10月30日〜11月17日)。タイトルだけで、 発信者がだれかとか、もちろん中身は見られません。  「これはいい」ということになれば、これより前の分も含めて、引き続きタイトル を上げて行きますが、「無駄」なら続けないし「やめて」ならやめます。 ご覧になって、どうぞご意見をくださいませ。では、また。  ★池上摩希子
[kodomo-ml 2035] 普通体導入の実践報告 子どもメールの皆さま 池上先生 お世話になっています。 『人形で教える日本語』の荻野誠人です。 以前、小HPにお出で下さった池上先生から 「普通体の人形劇はないのですか?」との ご指摘を頂きました。以来ご指摘にお応え したいと思っておりましたが、幸いに 実践の機会を得て、その結果を本日HPに 掲載しました。初めての試みで不備な点が 多いのですが、よろしければ、お出で下さい。 http://www4.justnet.ne.jp/~kugutsu/ トップページの「文型導入用人形劇」の中の 「20普通体」にお入り下さい。人形劇が 5本入っています。また色々とご指導くだされば、幸いです。 ありがとうございました。 それではまた。皆さま、池上先生お元気で。 12/15 "・。*"・。*"・。*"・。*"・。*"・。*"・。*"・。*"・。*"・ ■荻野誠人(おぎのまこと) ■『心の風景』   URL: http://www.bekkoame.ne.jp/i/gb3820/ ■『人形で教える日本語』   URL: http://www4.justnet.ne.jp/~kugutsu/ ■Email: gb3820@i.bekkoame.ne.jp "・。*"・。*"・。*"・。*"・。*"・。*"・。*"・。*"・。*"・
[kodomo-ml 2039] 日本語能力試験について ○○さんのメールに引用されていた 「日本語能力検定試験」が、もし、「日本語能力試験」のことでしたら…(「検定」はない…。) 私の機関で作成しているものですので、情報をお流しします。 この試験は、国際交流基金(=私の所属機関、外務省関連法人)で作成していて、 海外では私どもの事務所や海外の日本語教師会、大使館、領事館などのお手伝いをいただきながら実施、 国内では(財)国際教育協会(=文部省関連法人)が行っています。 年一回、12月に行われています。 目的は一般の日本語能力の判定…ということで、 海外では、日本語教師のレベル判定の使われている場合もありますが、 今までは、国内との関係としては、大学の国費留学生の選考の際、 (または大学によっては、私費の留学生の入学試験の際、) 一級や二級がその基準として使われて来ました。 再来年度より、大学や大学院のための試験は新しいものができることになっていて、 日本語もその中に含まれているので、今後の動向は不明ですが、 この新試験も、すぐ世界中で行うことは難しいと言われているので、 たぶん、「日本語能力試験」のそういう目的もしばらくは残ると思われます。 …と書きましたところから御推察の通り、この試験は成人向けのものです。 また、現在使われているシラバスも10年以上前の初級教科書をにらんだ形で作られていますので 古くなってきており、現在、改訂を行っています。 (でも、だいぶかかりそう…。ちなみに、今のシラバスは、凡人社から  『日本語能力試験出題基準』として販売されています。) 1級〜4級までの試験で、1級と2級は、上に書いたような目的もあったので 漢字圏の学生でないととても難しいレベルでした。 (大学入試の目的が消えれば、変わる可能性はあります。) 非漢字圏の日本語教師は、3級取得者が優遇される…といったレベルです。 ですので、年少者の日本語能力を判定する試験としてこの試験を利用することが望ましいとは… 作成の一端を担う私でも宣伝しにくいものがあります。(苦笑) ただ、ブラジルについては、ブラジル国内でも、 実際にこの試験を年少者に使ってきました。 というより、他のものがなかった…ということなのだと思います。 ですが、現在、ブラジル・サンパウロでは、年少者向けの日本語試験を作成しています。 (私ももう少しは書けますが、もしかしたらブラジルにいらっしゃるメンバーの方のほうが詳しいかな?) 公開までには少し時間がかかるかもしれませんが 作成者達と連絡を取ることはできるかもしれません。 ちなみに、年少者の日本語力評価については、ずっと前にも話題になったことがあると思いますが 筆記試験で問うものとしては、このブラジルのものと、 それから、オーストラリア、シンガポール、カナダ、英国などの国で 中等教育卒業試験や大学入学資格認定試験の一貫として 作られているものぐらいだと思います。 口頭試験では、カナダの年少者OPIと言われているものが 一番有名かと思いますが、他にもいくつか試行しているものがあるようです。 私の機関でも、年少者向けのものを作りたい…とは、何年も考えているのですが 既にある「日本語能力試験」の口頭部門を作ることや 従来年一回だった試験を二回にすることなどの要望も強く、 優先順位として、なかなか手がまわらないのが現状です。 といったところが概況なのですが、こんな情報でお役に立つでしょうか? そういうわけで、○○さんがお使いになることを 決して勧められる試験ではないのですが、 ただ、学生によっては、そういうことが励みになる場合もあると思います。 つまり、一回合格すれば一生、世界中で通用する試験ではあるからです。 最終的な判断は、先生にお任せするしかありません…。 実施された試験自体も売られていますし、問題集も出まわっています。 それから、概要や昨年度の試験、その結果などは、私の機関のホームページでも見られます。  http://www.jpf.go.jp で、アクセスしていただいた後、「日本語・日本研究」のボタンをクリックしていただいて、 「日本語能力試験」を開けば、「能力試験のひろば」というのにつながります。 よければ御覧くださって、御検討ください。 また、もう少し詳しい情報が必要でしたら、 このメーリングリスト上でも、私個人宛にでも、いつもで御連絡ください。 まとまらない御案内ですが、今日はとてもバタバタしているのでお許しください。 本当は、皆さんのメールにお返事したいこともいっぱいあるのですけれど。 では、どうぞよろしくお願い致します。
[kodomo-ml 2039] 日本語能力試験について(補足) △△さんのメールに関して一言。 >来年度から試験が大きく変わるといわれていますが、以下は今までの日本語能力試 >験についてです。 来年度から大きく変わる…というのは、私が前のメール(2039号)で書いた、 新試験(仮称)のことではありませんか? つまり、大学入学のための試験としては、 この新試験と日本語能力試験の二本立てになってしまう、ということです。 新試験も、既にシラバスも問題例も公表されていますが、 日本語能力試験とはかなり違うコンセプトで作られており (私は個人的には、こちらの試験も問題を感じていますが) 例えば、日本語学校などが、学生をどちらの試験向けに勉強させればいいのか、 きっとすごく大変なことになると思います。 ただ、今のところ、海外では、この新試験が広く使われる目処は立っていなくて、 例えば、中国など(留学生の中ではとても大きな比重を占めているわけですが)では、 当座、この新試験は行わないことを決めたと聞いています。 迎える大学側も大変ですね。 …というわけで、日本語能力試験が「大きく変わる」ことは、今のところないと思います。 もちろん、先ほどのメールにも書きましたように、 文字や語彙のシラバス、文法のシラバスは見直しが行われていますが、 この試験を大きく変えることの世界的な影響は想像を越えるものがあるからです。 もし、この改訂を本格的にやるとしたら、それこそ、5年は前からアナウンスしなければ、 世界中の顰蹙をかってしまうことでしょう。 既に、問題形式などでは(特に聴解、読解)、少し大胆な変更をした年もあるのですが、 その年の結果は、いつもの年と大変差ができてしまいました。 △△さんもおっしゃっているように、 試験というのは、学生がそれに向かって勉強する目標シラバスになってしまいますよね。 そういう意味で、この試験に問題があることもわかっていますが、 逆に、そういう意味で、こういう試験になってしまうわけでもあるのです。 …なんて、自分の機関だからと言って、弁護するつもりではないのです。 私も、前は、大学の講師として、能力試験について物申していたときもあったので、 受験者の方達や受験者を送る側、迎える側の気持ちもとてもよくわかります。 なので、客観的に事実の報告…のつもりです。 たぶん、この「能力試験」の次の段階は、口頭試験ができることだと思います。 でも、これもまだ試行試験中です。 目処が立ったら、またお伝えしますね。 子どもメールの内容とは離れてしまうかもしれませんが、 この試験自体に何か御意見やお問い合わせがなどがあったら、 担当部署にも回せますし、いつでも個人メールででも御連絡ください。 …元々は○○さんのメールからだったんでした。 他にも、「こんな試験があるよ。」というような 年少者によさそうな試験情報があったら、交換しあえるといいですね。 どなたか、御存知ですか? それでは。
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ここには「池上」の書いたものが多いのですが、メンバーは250人ほどいますので、ご安心を。
メールはメンバー間でやりとりされています(一部、個人名を伏せて表示してあります、ご了解ください)。