地域情報 ア・ラ・カルト

NL27号 2003.06.06

『札幌子ども日本語クラブ』

「札幌子ども日本語クラブ」は外国人・帰国児童生徒に対する日本語学習支援を目的として、2001年8月に発足しました。札幌市では巡回指導などの形で学習支援は行われていましたが、数回で終了してしまうため、指導期間が終わったあとでは、学習支援を受けられないということになってしまいます。いままでは、そういう子どもたちに数人の有志者が個人的に学習支援を行っていたのですが、対象者もしだいに増えて対応しきれなくなってきました。(札幌子ども日本語クラブの報告書によれば2001年7月現在、全道の外国人児童・生徒は442人、そのうち札幌市には278人、2001年5月現在で札幌市における中国帰国者の子弟は116人)。
 そのような中、学校側からの要望もあり、札幌市の教育委員会を通じて北海道日本語教育ネットワークに支援要請がきました。そこで、これに対応すべく結成されたボランティア団体が「札幌子ども日本語クラブ」なのです。
 「札幌子ども日本語クラブ」は学校で学習支援を行うことが多いのですが、時間的な問題や家庭の事情などでうまく対応しきれないときは家庭訪問の形で学習支援を行っています。こうした活動は、子どもにとっては学習支援を受けるという主目的だけでなく、自分は孤独な存在ではなく、たくさんの人たちに支えられているという実感を持ち、心の安定にもつながっているようです。また、子どもたちの中には、滞在期間が比較的長く、生活言語は習得しているが学習言語が未熟という場合が少なくありません。「札幌子ども日本語クラブ」は生活言語と学習言語を区別して学習言語の習得を重視

しています。将来の進学や就職のためには学習言語の習得が不可欠です。この学習言語をいかに身につけさせるかということも重要な鍵のようです。
 また、運営上の問題点としては、予算のこともありますが、人材確保、特にボランティアの事情が変わる4月の調整が難しいようです。それぞれのボランティアができる範囲で活動を行うので、当然のことながら入れ替わりが数多くあります。「札幌子ども日本語クラブ」では前年度はのべ約50人のボランティアが活躍されたそうです。(報告者:所沢センター 齋籐)

同クラブでは2001年8月〜2002年3月までの活動を報告書の形でまとめてあります。報告書の中には担当したボランティアや、学校の担任のコメントがあり、各々の担当者が把握した子どもたちのいろいろな姿、また、学校の中での子どもたちの変化、特に、周囲とどう関われるようになったかという成長の様子を知ることができます。さらに児童の保護者へのアンケート調査も行っていて、家庭での状況報告されています。支援者、学校、そして保護者、子どもたちをとりまく関係者が、互いに情報を共有し合ってうまく連携していくことが大切なことだと感じました。

『札幌子ども日本語クラブ活動報告書 第1集
−2001年8月〜2002年3月』
B5判 57頁 700円(送料込み)
申込み先: 札幌子ども日本語クラブ 伊藤早苗
〒001-0016 

札幌市北区北16条西3-21 B-306

TEL/FAX: 011-736-0655
メール: YRI03073@nifty.ne.jp