財団法人 中国残留孤児援護基金

中国帰国者定着促進センター

ご あ ん な い

 
研修棟 〒359-0042 埼玉県所沢市並木6丁目4番2号
      電話 04-2995-5317〜5318 FAX04-2995-5319
宿泊棟 〒359-0042 埼玉県所沢市並木4丁目1番
      電話 04-2998-4615

【概要】

◎設立の経緯

 昭和47年9月の日中国交正常化の前後から、先の大戦の末期、中国のいわゆる東北三省(旧満州)における混乱のなかで、中国に残留を余儀なくされた「中国残留孤児」から、自分の身元や肉親を探し求める手紙が厚生省(現・厚生労働省)をはじめ全国の開拓団関係者などに寄せられるようになりました。
 これらの声を受けて、昭和56年3月から訪日肉親探しが実施されることとなりましたが、中国孤児問題は、次第に、孤児やその家族が日本に永住帰国することに伴って生ずる問題、さらに、永住帰国した孤児等の定着にかかわる問題を含めて解決を図ることが必要となり、昭和58年4月1日、中国残留孤児の全般的な援護事業を実施するための団体として「財団法人中国残留孤児援護基金」が設立されました。
 次いで、昭和59年2月1日、永住帰国直後から4か月間、日本での適応を促進するため日本語教育、生活指導などを行う「中国帰国孤児定着促進センター」が開設されました。


◎あゆみ

昭和59年  2月 研修棟開設(宿泊施設併設)

身元判明孤児入所(第1期生)
昭和60年 12月 身元未判明孤児入所(第13期生)
昭和61年 6月 LL教室開設
昭和61年 12月 宿泊棟開設
昭和63年 3月 宿泊棟多目的ホール増設
平成 5年 9月 帰国婦人入所
平成 6年 4月 「中国帰国者定着促進センター」に名称変更
平成10年 10月 樺太等帰国者入所

 中国・樺太帰国者に対する日本語・日本事情教育のいっそうの充実をめざし
て、平成16年6月の入所者から研修期間が従来の4ヶ月から6ヶ月に延長に
なりました。

 


◎組織

所 長-- 次 長  総 務 課
  ・センターの運営に係る企画、立案に関すること。
  ・センター施設の管理に関すること。
  ・センターの経理に関すること。
  ・入所者の受入れ、退所に関すること。
  ・入所者の健康管理に関すること。
  ・入所者の就籍に関すること。
 教 務 課
  ・入所者の日本語及び日本事情の研修に関すること
  ・教材開発に関すること。
 定着指導課
  ・定着地の自治体や身元引受人等との連絡に関すること。
  ・入所者の生活指導に関すること。
  ・入所者の就職支援に関すること。
  宿 泊 棟
   ・入所者の生活指導に関すること。
   ・入所者の健康管理に関すること。
   ・入所者の外出、面会人等の把握に関すること。

 

 

【行事風景】

励ます集い

修了式


【日本語・日本事情の研修】

T 当センターの指導方針・指導目標

 中国・樺太等帰国者(以下「帰国者」という。)に対する教育指導は本質的には異文化適応教育と意義付けられますが、当センターの研修はその中の来日直後に行われる予備的集中研修という役割をもつものだと言えます。すなわち、まだ日本での実生活に入っていない学習者に対して6ヶ月の短期集中研修を行うことによって、定着後の学習にスムーズにつなぎ、それが最終的には適応に結び付くことを目指すものです。
 当センターの研修では、日本での生活への自信と意欲、それを裏付ける基礎知識、基礎技能という大目標が掲げられていますが、これらは次の三つの認識に基づいています。

 1.異文化適応は最終的には帰国者一人ひとりが実際の生活を通して自ら達成すべきものだという認識
 2.そのような生活実践の努力を積み重ねていくには、適応が可能であり努力の結果が報われるという実感からくる前向きな姿勢「自信と意欲」が不可欠だとする認識
 3.そのような自信と意欲を裏打ちするものとして、当センター退所後の日常生活の中に学習の機会が豊富にあることを見いだし、その学習機会を有効に活用できるような「基礎的な知識と技能」が必要だという認識

このように、当センターで言うところの「基礎知識、基礎技能」とは、なによりも、実践を通じて活用し、「学習できた」「成長している」という体験・実感を意識化して自信や意欲を獲得するためのものなのです。
 この大目標は、さらに学習者のタイプごとに、中目標、小目標、達成目標群に具体化されています。このように構造化・具体化して設定された目標群の達成に向けて、必要となる日本語と日本事情の学習項目を盛り込んだ研修プログラム、およびそれを支える指導活動や教材、評価法が開発・改良されてきています。

U 当センターにおける研修の概要

1.コースの種類とクラス編成
 〔コースの種類
  ●研修棟への通学が可能な者に対する研修
   <大人コース>:おおむね65歳以下の一世世代と既婚の二世世代を対象とするコース
   <青年コース>:おおむね25歳以下の、未婚の二世・三世のうち、小・中学校への就学
             期を過ぎた者を対象とするコース
   <子供コース>:小・中学校に編入予定の二世・三世を対象とするコース
   <スクーリングコース>:介護や保育のために通学できない者を対象とするコース
   <帰国婦人コース>:中国・樺太等一世世代のうち、日本語による日常会話に大きな
               支障のない者を対象とするコース
  ●研修棟への通学が困難な者に対する研修(宿泊棟における研修)
   <高齢者コース>:高齢または健康上の理由により通学困難な者を対象とするコース
   <介護・保育者コース>:家族の介護や保育のため通学困難な者を対象とするコース
 ※介護・保育等は、状況により研修棟へのスクーリングを行うこともある。

クラス編成
 各期のコースごとに、学習適性、日本語力(日本語既習度)等により編成する。


2.入所、研修期間と授業時間帯

 〔入所、研修期間
  年に4回(3、6、9、12月)の入所で、各期それぞれ6か月弱、約21週間の研修、但し入所時期・期間により多少長短が生じる。
 〔授業時間帯
  ○研修棟における授業
   月曜日〜金曜日、各5時限(1時限=50分)の研修
   <午前>・・・09:15〜10:00(3時限)
   <午後>・・・13:00〜14:50(2時限)
 ※第6時限(15:00〜15:50)には日本語日本事情の個別指導等補講や定着指導を行う。
 ※介護・保育者対象のスクーリングは夕方(15:50〜17:05)実施
  ○宿泊棟における授業
   月曜〜金曜、各2時限(1時限=50分)の研修
   <午前>・・・10:00〜12:00(2時限)

3.研修生の世代構成
  ◇中国帰国婦人等とその配偶者(おおむね70歳代から)
  ◇中国帰国孤児本人および樺太等帰国者一世とその配偶者(おおむね50歳代〜)
  ◇中国・樺太等帰国者二世とその配偶者(おおむね10〜50歳代)
  ◇中国・樺太等帰国者三世(おおむね6〜20歳まで)

4.指導内容
  ・<大人コース>「指導内容一覧」より一例
  ・<子供コース>「指導内容一覧」より一例

 


◎開発教材一覧

《文字・語彙・文型トレーニング教材》

・ひらがな練習帳1・2・3

・カタカナ練習帳1・2・3

・ひらがな練習帳1ワークプック

・カタカナ練習帳1ワークブック

・文字の練習/聞き書き ひらがな

・文字の練習/聞き書き カタカナ

・身の回りの漢字−覚えよう−

・中国の漢字と日本の漢字

・すいすい引いてみよう− 日漢辞典と漢和辞典が引けるようになるために−

*

・聞き取り トレーニング 1

*

・聞き取り トレーニング 2

《生活行動場面教材》

1.

あいさつ

2.

郵便局・商店

3.

郵便局・商店(情報編)

4.

交通

5.

交通(情報編)

6.

病気

7.

病気(情報編)

8.

銀行(情報編)

9.

電話

10.

電話(情報編)

11.

面接

12.

学校−保護者編

*

13.

わたしの学校

*

14.

わたしの学校(情報編)

15.

仕事

*

・ロールプレイ集−こんなとき どうする?−

《文法・文型 教材》

*

・ことばと表現 T

*

・ことばと表現 U

*

・ことばと表現 V

*

・ことばと表現 W

*

・ことばと表現・音読版

《読解・作文教材−私のこと-シリーズ》

・私の家族

・私の故郷

・日本と中国の食べ物

・中国での生活

・私の趣味

・中国の行事

・教育

《交流教材》

*

・交流T  知り合おう!

*

・交流U  また会おう!

*

・交流V  もっと知り合おう!

《教科教材》

・文型数学

・あたらしい  ぶんけいさんすう

*

・社会科の基礎 (上) (下)

*

・公民

*

・日本の歴史

*

・日韓対訳 日本歴史

*

・中国の地理と歴史

*

・中学英語文法の参考

《自学自習用教材−中国語版》

・こつこつ日本語運転免許

・運転免許学科教本

・漢字を覚えよう 上・下

・求職会話 T・U

・話してみよう 近所の人と @・A

・新 日本の生活とことば-消費生活-

*

・かけ足数学総復習 上・下

*

・読解の基礎 上・下

*

・始めてみよう 話してみよう T・U

*

・面接のやりとり

《自学自習用教材−ロシア語版》

*

・漢字を覚えよう 1・2

*

・求職会話 T・U

*

・話してみよう 近所の人と @・A

《ビデオ教材》 *

1 郵便物を出す

2 電車に乗る

3 銀行に行く

4 電話をかける

5 買い物をする

6 応急手当てと常備薬

7 病院に行く

8 会社の面接を受ける

9 友人に招待されたとき

10 市役所の手続き

11 中学校の生活

12 工場で働く

13 レストラン(商店)で働く

14 事務所で働く

15 団地の生活

16 日本人の家庭

17 食卓でのマナーと服装

18 日本の住宅事情

19 職場で働く

20 交通道徳と公衆道徳

21 生活保護と自立への努力

22 日本人の考え方

(*非売品。他は中国残留孤児援護基金から販売)


【定着指導】

 中国・樺太帰国者は当センターでの研修を修了した後、それぞれの定着地において生活を始めますが、円滑に地域社会に定着できるよう日本語や日本事情の研修以外に様々な研修や支援が行われています。

◎定着地の自治体や身元引受人等との連絡
 入所後まもなく各世帯の状況を把握するための調査を行い、それらを元に定着地の都道府県や身元引受人等と連絡調整を行います。最終的には身元引受人と帰国者世帯の面談を行い、お互いの信頼関係を構築していきます。その後も、定着地での生活の基準に関する事、学齢児童の編入学問題等、必要に応じ随時都道府県や身元引受人等と連絡調整を行います。

◎定着後の生活に必要な知識の指導及び就職支援
 定着後の生活に不安を感じている帰国者が多いため、自立支度金や生活保護制度の説明、身元引受人や自立指導員の役割等、国や地方自治体から受けられる各種支援についての説明を行っています。また、職業に関する全般的な知識の指導を行うとともに、公共職業安定所や職業訓練校の見学、企業見学、実際に企業での労働を体験する「体験学習」等を行い日本の労働事情について理解を深め定着後の就職支援に努とめています。この他、先輩帰国者の体験談を聞く機会を設けたり、必要に応じて個別指導を行う等、定着後の生活に対する過度の不安を取り除き、帰国者が安心して定着できるようにしています。

◎就籍等に関する指導
 帰国者の中には様々な理由で日本の戸籍を持っていない、あるいは喪失した方がいます。また、戸籍があっても外国人のパスポートで帰国されたためにそのまま住民登録ができない場合があります。このような帰国者が戸籍を回復したり、新しく戸籍を作るために必要な手続きや知識を法務局や最高裁判所、法律事務所等の担当者を招いて説明してもらい、手続きが円滑に進むよう支援をしています。

居住地の決定と身元引受人の斡旋

 帰国者のうち、在日親族がいない、または身元引き受けができない場合には、在日親族に代わって帰国者世帯の身近にあって日常生活面での相談・助言等を行っていただく身元引受人が斡旋されます。
 居住地の決定と身元引受人の斡旋は、原則として、帰国者の帰国前の国(厚生労働省)によって行われています


【宿泊棟の生活指導】

 中国・樺太等帰国者は、センターで初歩的な日本語教育や現代社会事情等の研修を集中的に受けます。その間、宿泊棟は日常生活の場であると同時に食文化や生活習慣などの具体的な知識の習得、社会生活での規則やマナーなど、「適応教育実習」の場となっています。さらに、日本の道路事情に慣れるための交通安全指導や毎月2回の生活指導をとおして共同生活の規則や環境衛生についての指導も行っています。そのため宿泊棟では、24時間の勤務体制で、中国やロシアでの生活経験が豊富でそれぞれの言語に堪能な職員を生活指導員として配置し、帰国者世帯が定着後円滑な社会生活を目指せるよう、また入所者が充実した研修と潤いのある日常生活が送れるように指導・運営を行っています。

入 所 (生活用具等の使い方の指導)
初期指導 (共同生活の規則)
生活指導 (交通安全指導及び環境衛生指導等)
地域交流 (ボランティア・地域の学校・地域住民との交流会等)
退所指導 (発送荷物の梱包・整理等)


入所式


家族団欒


音楽交流会


自炊風景